ミックスでボーカルを前に出す方法【初心者向け】

ミキシング

この記事では、「ボーカルが前に出てこない」「ボーカルがミックスの中で埋もれる」「ボーカルが細い」という方のために、ボーカルを前に出すミックスのやり方を紹介します。

ボーカルを前に出すには?

音の前後関係を決める要素は「音量」「周波数特性」「残響成分」「トランジェント」の4つです。

後ろ
音量
周波数特性高域がある高域がない
残響成分少ない多い
トランジェントするどいにぶい

この4つの中で、ボーカルが前に出ない原因となりやすいのが音量です。ボーカルは、音量にムラが出やすく音の大きいところと小さいところが発生しがちです。音が大きな部分では前に出てくるものの、音が小さな部分で後ろに下がってしまうということが起こります。このムラをなくして、音量を一貫して大きくし、他のパートよりも目立たせることがボーカルを前に出すコツです。

また、コンプなどでボーカルの音量を上げても、前に出てこない場合は高域成分が足りていない場合があります。マイクの特性などによりレコーディング時に高域がうまく録音されていない場合は、高域を足さないと音が前に出てきません。高域を足すにはEQやエキサイター・エンハンサーを使う方法があります。

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ボーカルを前に出す方法

アップワードコンプを使う

アップワード・コンプレッサー(Upward Compressor)は、音量の小さな部分の音量を大きくしてダイナミクスを圧縮するコンプレッサーです。普通のコンプレッサーはダウンワードコンプレッサー(Downward Compressor)と呼ばれ、音量の大きな部分を小さくしてダイナミクスを小さくします。

アップワードコンプを使うと、音量の小さなボーカルの胴やテールの部分を持ち上げて、一貫して音の大きなボーカルにすることができます。

MV2 / Waves

MV2 / Waves

MV2 / Waves は、アップワードコンプと普通のダウンワードコンプが一体になったダイナミクス・プロセッサー・プラグインです。ボーカル用のコンプにおすすめです。

Low Levelのスレショルドを上げていくだけで、音量がスレショルド以下の部分を持ち上げてくれます。

収録バンドル: Gold, Platinum, Diamond, Horizon

MaxxVolume / Waves

MaxxVolume / Waves

MaxxVolume / Waves は、アップワードコンプ、ダウンワードコンプ、ノイズゲートが一体になったダイナミクス・プロセッサー・プラグインです。上記のMV2の多機能版といえるプラグインです。

Low Levelのスレショルドを上げていくだけで、音量がスレショルド以下の部分を持ち上げてくれます。

収録バンドル: Platinum, Diamond, Horizon

パラレルコンプを使う

パラレルコンプレッサーとは、並列でコンプをかけるテクニックです。
元のボーカルトラックとは別に、リターントラックをつくり、ボーカルをセンドでリターントラックに送ります。

リターントラックでコンプをかけた音と、元のボーカルトラックの音を合わせると、音の小さな部分が持ち上がり、ボーカルが前に出てきます。

パラレルコンプでは、激しい圧縮を行います。

設定例

  • アタック: 最短
  • リリース: 短め
  • レシオ: かなり大きめ
  • ゲインリダクション: 5~10dB程度

CLA-76 Compressor Limiter / Waves

CLA-76 / Waves

CLA-76 / Waves は、代表的なFET式コンプ Urei 1176 のクローンプラグインです。FET式コンプは反応が速く、アタック部分を激しくつぶす用途に最適です。

設定例

  • アタック: 最短(7)
  • リリース: 短め(6ぐらい)
  • レシオ: ALL
  • ゲインリダクション: 5~10dB程度

収録バンドル: Horizon, CLA Classic Compressors

CLA Classic Compressors / Waves
CLA Classic Compressors / Waves

VC 76 / Native Instruments

VC 76 / Native Instruments

VC 76 / Native Instruments は、代表的なFET式コンプ Urei 1176 のクローンプラグインです。

Native Instruments のプラグインバンドル Komplete Ultimate に収録されています。

Komplete Ultimate / Native Instruments
Komplete Ultimate / Native Instruments

コンデンサーマイクを使う

ボーカルのレーコーディングには、主にコンデンサーマイクとダイナミックマイクが用いられます。

ダイナミックマイクは、ロック系のボーカルなど激しく歌うボーカルには合いますが、高域の感度が弱いためボーカルの歌い方によっては、高域が足りずミックスの中で埋もれやすい音になってしまう場合があります。

コンデンサーマイクは、感度がよく繊細な音も録音できます。

もしダイナミックマイクでレコーディングしていて、ボーカルが埋もれるという場合には、コンデンサーマイクで録音してみるとよいでしょう。

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Rode / NT1-A

Rode / NT1-A

ホームスタジオの定番コンデンサーマイク

Rode / NT1-A は、ホームスタジオの定番の低価格コンデンサーマイクです。

ショックマウントや、ポップフィルター、ダストカバー、XLRケーブルが付属しているので、すぐに録音を始められます。

低価格にもかかわらず、しっかりとした音質で、低域と高域がはっきりしているのが特徴です。

ボーカルだけでなく、アコギ、ピアノなどのカコースティック楽器の録音にも向いています。

初めてコンデンサーマイクを導入する方に最適です。

AKG / C214

Shure / SM58

プロ品質のコンデンサーマイク

AKG / C214 は、プロ用の定番コンデンサーマイクC414を、単一指向性にして低価格化した製品です。

手頃な価格で、プロレベルの高品質の録音が可能です。

明るい音質で、ボカールだけでなく、アコギやピアノなどのアコースティック楽器の録音にも適します。

専用ケース、ショックマウントホルダー、ウィンドスクリーンが付属しています。

手頃な価格でプロレベルのマイクを求めている方に最適です。

エキサイター・エンハンサーを使う

ボーカルを前に出すには、高域がしっかりと鳴っていなければなりません。高域が足りないボーカルに倍音を加えて高域を豊かにすることができるのが、エキサイター・エンハンサーやサチュレーターです。

エキサイター・エンハンサーやサチュレーターは、倍音を付加するためのエフェクターです。もともと高域の成分がない場合は、EQでいくらブーストしても高域を増やすことはできません。エキサイターを使うと倍音のない高域にも倍音を付加することができます。

ボーカル用のエキサイターの定番プラグインは、Aphex Vintage Aural Exciter / Wavesです。

Aphex Vintage Aural Exciter / Waves

Aphex Vintage Aural Exciter / Waves

Aphex Vintage Aural Exciter / Waves は、有名なアナログ真空管エキサイター Aphex Aural Exciter のモデリングプラグインです。

EQでボーカルのハイをブーストしても、いまいちヌケが悪いというときに、エキサイターを使えば、きらびやかでヌケのいいボーカル音をつくることができます。

定番のバンドルには収録されていません。単品購入がおすすめです。

Aphex Vintage Aural Exciter / Waves
Aphex Vintage Aural Exciter / Waves

その他のエキサイター・エンハンサー、サチュレーターについては、こちらを参照してください。

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まとめ

ミックスでボーカルを前に出す方法について解説しました。

ボーカルのミックスのやり方については、こちらも参考にしてください。

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