DTM・ミキシングの初心者が困るのが「どのエフェクトを使えばいいのか?」「どういう順番でつなげばいいのか?」ということではないでしょうか。 そこで、この記事では、DTMのミックスでのエフェクトチェーンのおすすめの順番を紹介します。
ミックスのエフェクトのおすすめの順番
1. EQ(カット)
EQは、コンプレッサーの前と後との2箇所で行います。
最初のEQの目的は、不要な帯域を大まかにカットしクリアな音にすること。
また、不要な帯域がコンプをトリガーして圧縮を開始するのを防ぐことです。
カットするのは、音のこもりの原因となる不要な低域、耳障りな高域です。
その他に問題のある帯域があればカットします。
ここで使うEQは、Pro-Q3 / fabfilter やDAW付属のデジタルEQです。
2. コンプレッサー
コンプレッサーは、音量のばらつきの修正や、音にパンチ感やしまりを加えるために行います。
ダイナミクスを調整する必要がない場合、コンプは使わなくてもかまいません。
3. サチュレーター・エキサイター
音に倍音が足りず、前に出ない、ヌケが悪いといった場合、サチュレーターやエキサイターを使って倍音を加えます。
この後のEQで、ブーストするだけで問題が解決するのであれば、サチュレーター・エキサイターは必要ありません。
4. EQ(ブースト)
この段階のEQでは、音質の微調整を行います。
アナログ系のEQで、欲しい帯域をブーストし音に存在感を加えます。
ブーストにデジタルEQを用いてもかまいませんが、アナログ系EQのほうが音に独特の色がつき存在感を高める効果があります。
サチュレーターやエキサイターで加えた倍音を修正する場合も、この段階で修正します。
5. ディレイ
ディレイは音に、広がりや奥行き、空間感を出すために使います。
ディレイは、一般的にはリターントラックに挿入して使います。
個別のトラック内でエフェクトチェーンを分岐してパラレルプロセッシングができるDAWの場合は、個別のトラック内で使う場合もあります。
ディレイを使う必要がなければ、省略してかまいません。
6. リバーブ
リバーブもディレイと同様に、広がりや奥行き、空間感を出すために使います。
通常、リターントラックに挿入して使いますが、トラック内のパラレルプロセッシングで使うこともあります。
ディレイとリバーブは、直列につなぐ場合と並列につなぐ場合があります。
直列につなぐ場合は、ディレイを先にリバーブを後にかけるのが一般的です。
7. サイドチェーン・コンプレッサー
サイドチェーンコンプは、他のパートのスペースを開けるために用います。
コンプレッサーを挿して、サイドチェーンにコンプをトリガーするための信号を送ります。
8. ゲイン
フェーダーへ送る前に、音量を調整する必要があれば、ここで調整します。
また、ボリュームオートメーションを書く場合は、フェーダーを使うよりもゲインプラグインにオートメーションをかけたほうが、フェーダーで全体の音量を調整でき便利です。
まとめ
ミックス時のエフェクトの順番について解説しました。
この順番は、決まりではないので、音源や出したい音によって自由に入れ替えたり、省略したり、足したりしてかまいません。
ミックス初心者の方は、この順番を参考に調整してみてください。