DTM環境を構築する上で、どのような部屋を選ぶかは重要です。
適切な部屋を選ばなければ、よいモニター・スピーカーやオーディオ・インターフェースを使用しても、その性能を活かすことはできません。
この記事では、DTM・ミキシングに適した部屋の選び方について解説します。
DTM・ミキシングに適した部屋とは
DTM・ミキシングに適した部屋とは、簡単に言えば、壁、床、天井などの反射による悪影響が少ない部屋ということになります。
スピーカーから出力された音は、壁などに反射して、スピーカーから直に耳に届く音に重なります。
直接音と反射音が重なると、増幅されたり減衰されたりする帯域が出来てしまうのです。
これにより、スピーカーから出ている音と、あなたが実際に聴く音の周波数特性が別のものになってしまうのです。
いくらフラットな特性のスピーカーを使っても、その音をそのまま聴くことができなければ、スピーカーの性能が台無しになってしまいます。
ですから、適切な部屋を選ぶことは重要なのです。
DTM・ミキシングに適した部屋の選び方
広いほうがよい
部屋は広いほうがよいです。
部屋が広いと、スピーカーから出た音が壁で反射してあなたの耳に届くまでの距離が長くなります。
距離が長くなれば、その分、反射音が小さくなるので、反射音による悪影響が少なくなるからです。
天井が高いほうがよい
部屋の天井は高いほうがよいです。
広さの場合と同様に、天井が高いと反射音があなたの耳に届くまでの距離が長くなり、反射音の悪影響が少なくなるからです。
縦、横、高さが同じか、簡単な整数比になる部屋はよくない
部屋の縦、横、高さが同じ、あるいは、2 : 3、3 : 4などの簡単な整数比になる部屋はよくありません。
例えば、4畳半や8畳の正方形の部屋や、部屋の縦横の比が3:4になる6畳の部屋などです。
平行な向かい合った面は、その面と面と距離に応じた周波数の定在波を発生させます。
定在波は、スピーカーからの直接音に重なり、周波数特性を歪めてしまいます。
部屋の縦、横、高さが同じか、簡単な整数比だと、縦、横、高さ方向で同じ周波数の定在波が発生してしまい、定在波の悪影響が大きくなってしまうのです。
ですから、定在波の周波数が同じになってしまわないように、部屋の縦、横、高さの比が同じか、簡単な整数比になるような部屋は避けるべきなのです。
硬い仕上げの部屋はよくない
部屋の壁、床、天井などの仕上げが硬いものは、よくありません。
硬い面では、音がほとんど吸収されることなく、大きな反射音が返ってきてしまうからです。
硬い仕上げとは、コンクリートや石、ガラスなどです。
例えば、コンクリート打ち放しの部屋や、床から天井までの窓がある部屋などは、好ましくありません。
床仕上げは、フローリングのほうが、カーペットよりもよいです。
フローリングであれば、全帯域を比較的均一に反射しますが、カーペットでは、高域がより吸収され、音がこもって聴こえるからです。
まとめ
適切な部屋を選べたら、モニター・スピーカーを置く位置を検討しましょう。