ヘッドホンを選ぶときによく分からないのが「インピーダンス」です。 この記事では、「インピーダンスとは何か」「どれぐらいのインピーダンスのヘッドホンを選ぶとよいか」について解説します。
インピーダンスとは
インピーダンス(Impedance)とは、「電子回路が持つ、交流電流に対する抵抗値のようなもの」です。
交流抵抗と呼ばれることもあります。
単位はΩ(オーム)です。
インピーダンスの大きな(ハイインピーダンス)ヘッドホンを駆動するには、大きな電力が必要です。
オーディオインターフェイスやヘッドホンアンプなどの高出力機器を使う必要があります。
スマホや携帯音楽プレーヤーなどの出力の弱い機器では、十分に音量を上げることができません。
また、音質も悪くなります。
逆に、インピーダンスの小さな(ローインピーダンス)ヘッドホンには、あまり電力を必要としません。
スマホなどの低出力機器でも、オーディオインターフェイスやヘッドホンアンプなどのより出力の大きな機器でも、問題なく使えます。
インピーダンスは何で決まる?
ヘッドホンのインピーダンスは、ドライバ(電気信号を音に変換する部品)内のボイスコイル(細い銅線を巻いたもの)の銅線の細さと長さによって決まります。
インピーダンスと音量
再生機器のボリュームのつまみやスライダーなどを同じ位置にしておいた場合、ローインピーダンスのヘッドホンでは音量が大きく、ハイインピーダンスのヘッドホンでは音量が小さくなります。
別の言い方をすると、同じ音量を得たい場合、ハイインピーダンスのヘッドホンでは、ローインピーダンスの場合より、ボリュームを上げる(つまみをより右に回す)必要があります。
インピーダンスと音質
インピーダンスの大小と音質は、基本的に関係ありません。
ローインピーダンスのヘッドホンでもハイインピーダンスのヘッドホンでも、再生機器に合っていれば、高音質を得ることができます。
インピーダンスの目安
ローインピーダンスやハイインピーダンスの数値に明確な定義や平均値などはありませんが、一般的な目安は下記の値ぐらいです。
- ロー(低) : ~40Ω
- ミディアム(中) : 50~100Ω
- ハイ(高) : 200Ω~
インピーダンスの選び方
どれぐらいのインピーダンスのヘッドホンを選ぶかは、どのような機器にヘッドホンを挿して使うかで決めるとよいです。
スマホや携帯音楽プレーヤー、ノートパソコンなどの低出力機器に使う場合には、低めのインピーダンス(60Ω以下ぐらい)のヘッドホンがよいです。
オーディオインターフェイスには、ローやミディアムのインピダーンスのヘッドホンがよいです。
オーディオインターフェイスに搭載されているヘッドホンアンプの性能によっては、ハイインピーダンスのヘッドホンでも問題ありません。
ヘッドホンアンプは高出力なので、ハイインピーダンスのヘッドホンがよいです。
ローやミディアムインピーダンスのものでも使えますが、音量の上げすぎに注意が必要です。
主要モニターヘッドホンのインピーダンス一覧
- 24 : MDR-M1ST / Sony
- 32 : DT770 Pro (32Ωモデル) / Beyerdynamic
- 32 : K72 / AKG
- 32 : K245, 275 / AKG
- 32 : K361, 371 / AKG
- 35 : ATH-M40x / Audio Technica
- 37 : HPH-MT8 / Yamaha
- 38 : ATH-M50x / Audio Technica
- 44 : SRH440, 840 / Shure
- 47 : ATH-M20x / Audio Technica
- 55 : K271 MKII / AKG
- 55 : K240 Studio / AKG
- 55 : K240 MKII / AKG
- 62 : K701, 702, 712 / AKG
- 63: MDR-7506 / Sony
- 63 : MDR-CD900ST / Sony
- 80 : DT770 Pro (80Ωモデル) / Beyerdynamic
- 250 : DT770 Pro (250Ωモデル) / Beyerdynamic
- 250 : DT1770 Pro / Beyerdynamic
- 250 : DT990, 1990 Pro / Beyerdynamic
- 300 : HD600, HD650 / Sennheiser
- 470 : ATH-R70x / Audio Technica