バス・コンプレッサーは、ミキシングの品質を高める上で重要なテクニックのひとつです。 この記事では、バスコンプのやり方について解説します。
バスコンプとは
バスコンプ(バス・コンプレッサー)とは、バストラックにコンプレッサーをかけることです。 すべてのトラックをまとめたステレオバスにコンプレッサーかける場合と、ドラムなどをまとめたミックスバスにコンプレッサーをかける場合とがあります。
バスコンプの目的
バスコンプの目的は、曲に一貫性と適度なパンチ感を与え、さらに、各パートをギュッと密着させた締まったサウンドにすることです。
バスコンプのやり方
マスター・トラックにコンプをかける
バスコンプレッサーは、マスター・トラック (マスターバス、ステレオバス) にかけます。 コンプレッサーは、ミキシング開始時に挿しておいてください。各トラックのバランスをとってからバスコンプをかけると、バランスがくずれる場合があるからです。
バスコンプはゆるくかける
バスコンプは自然な圧縮感が得られるように、ゆるめにかけます。
設定の目安
- レシオ : 1 / 1.3 ~ 2ぐらい
- スレショルド : ゲイン・リダクションが 1 ~ 2dBになるぐらい
- アタック・タイム : 50 msぐらい
- リリース・タイム : 150 msぐらい
レシオ
レシオ (Ratio) は 1:1.3 ~ 2 ぐらいの弱めにしましょう。
ゲイン・リダクション
ゲインリダクションが1~2dBぐらいになるように、スレショルドを調整してください。
アタック・タイム
アタックタイムは、中ぐらいで 50ms 前後にします。
トランジェントをしっかりと残すようにしましょう。
アタックタイムの設定の仕方は、100msぐらいからだんだん短くしていきます。
短くしすぎて音のアタック部分のトランジェントがつぶれてきたら、トランジェントを残すように少し戻してください。
アタックタイムを調整するときは、ゲインリダクションを大きめなるようなスレショルドにしておくと、変化がわかりやすいです。
調整し終えたら、ゲインリダクションが適切になるようにスレショルドを戻しましょう。
リリース・タイム
リリースタイムは、中ぐらいで 150ms 前後にします。
リリースタイムの設定の仕方は、300msぐらいの長めから始めて、だんだん短くしていきます。
ポンピングなどで不自然な音になったら、すこし戻して自然に圧縮が開放されるようにします。
オートリリース機能があるコンプレッサーであれば、オートリリースを使ってもかまいません。
曲のテンポに合わせる
アタック・タイムとリリース・タイムの適切な値は、曲によって異なります。
早いテンポの曲では短め、遅いテンポの曲では長めにしましょう。
リリース・タイムが長すぎると、圧縮が開放される前に次の圧縮が始まって、ずっと圧縮されっぱなしになってしまいます。
大きなトランジェントがくる前に、いったん圧縮が開放されるようにしてください。
例えば、4つ打ちのキックがあるなら、キックで圧縮を開始してから、次のキックが鳴るまでに、圧縮が開放されるようにしてください。
おすすめバスコンプ・プラグイン
SSL G-Master Buss Compressor / Waves
ミックスにまとまりを生みだし、アナログ回路特有のパンチや存在感を加えます。
SSL G-Master Buss Compressor は、 WavesのプラグインバンドルSSL 4000 Collectionバンドルに収録されています。
Solid Bus Comp / Native Instruments
Solid Bus Comp は、Native Instruments のプラグインバンドル Komplete に収録されています。
まとめ
バスコンプを適切に設定すれば、ミックスの質が劇的に改善されます。
曲により適切な値は異なりますので、この記事を参考に調整してみてください。