この記事では、DAWのBus、Aux 、Send / インサートエフェクト、センドエフェクト / プリフェーダー、ポストフェーダーについて解説します。
Bus / Aux / Send
Bus, Aux, Send は、DAWの中でオーディオ信号をどのようにルーティングするかを扱う機能です。
Bus
Bus(バス)、バス・トラックとは、複数のトラックのオーディオ信号をまとめたトラックのことです。
バストラックを使う理由、メリット
複数のトラックをまとめてエフェクトをかける
複数のトラックをまとめたトラックに対してエフェクトをかけたい場合には、バストラックを使います。
例えば、ドラムのトラックをまとめたものにコンプレッサーをかけたい場合などです。
複数のトラックをまとめてレベル調整やミュート/ソロができる
グループを構成しているようなトラックがあれば、それらをバストラックにまとめておけば、レベル調整やミュート/ソロをまとめて効率よく行えます。
例えば、いくつかのトラックを重ねてパッド音などをつくる場合、バストラックにまとめておけば、バストラックでまとめて音量を調整したり、ミュート/ソロしたりすることができます。
バストラックの使い方
DAWでのバストラックには、一般的に通常のオーディオトラックが使われます。
まず、バス用にオーディオトラックをつくります。
次に、バストラックに送りたいトラックの出力をマスタートラックからバストラックに変更します。
Aux
Aux(オグジュアリー、オクス、エーユーエックス)とは、あるトラックのオーディオ信号を複製を受け取って処理するトラックのことです。
いくつかのトラックのオーディオ信号を1つのAuxトラックへ送り、まとめてリバーブやディレイをかける場合などに使用します。
DAWによってはAuxのことをリターン・トラックというものもあります。
Send
Send(センド)は、Auxトラックに送る音量を調節するものです。
例えば、Auxにリバーブ・エフェクトをかけている場合、Sendを大きくすればリバーブ成分が増え、小さくすればリバーブ成分が減ります。
インサートエフェクト / センドエフェクト
インサート・エフェクト(Insert Effect)とは、通常のMIDIトラック(インストゥルメント・トラック)やオーディオ・トラックに直接に挿したエフェクターのことです。
センド・エフェクト(Send Effect)とは、AUXトラックに挿したエフェクターのことです。
AUXトラック、センド・エフェクトを使うメリット
効率よく作業できる
複数のトラックに同じ設定のエフェクトをかけたい場合、センド・エフェクトを使えば、トラックごとにエフェクトを調整せず、センドトラックに挿したエフェクトを調整するだけで済むので効率よく作業できます。
CPU負荷を節約できる
同じ設定のエフェクトをそれぞれのトラックにかければ、ひとつひとつのエフェクトがCPUを消費してしまいます。
センド・エフェクトを使えば、エフェクトが1つで済むのでCPU負荷を節約できます。
ドライ音とウェット音を別々に処理できる
例えば、あるトラックにディレイをかける場合、AUXトラックを使えば、ドライ音(元々の音)とウェット音(ディレイ音)を分離できるので、ウェット音にだけイコライザーをかけるといった使い方ができます。
AUXトラック、センド・エフェクトの使い方
AUXトラック、センド・エフェクトは、一般的に、複数のトラックで共有するリバーブやディレイなどに使います。
インサートとセンド共に、どんなオーディオエフェクトを使ってもかまいません。
インサートエフェクトとして、リバーブやディレイを使ってもよいですし、センドエフェクトで、リバーブとディレイ以外のエフェクトを使ってもよいです。
プリフェーダー / ポストフェーダー
プリ・フェーダー(Pre Fader)、ポスト・フェーダー(Post Fader)は、AUXトラックに送るためのオーディオ信号をフェーダー(パン+ボリューム)の前(プリ)、後(ポスト)のどちらから取り出すかを指定するものです。
プリ・フェーダーはフェーダー(パン+ボリューム)を通過する前のオーデイオ信号を、ポスト・フェーダーは、フェーダーを通過した後のオーディオ信号をAUXトラックに送ります。
通常は、ポスト・フェーダーを使います。
ポスト・フェーダーからセンドすれば、フェーダーでボリュームを下げれば、AUXへセンドされる信号のボリュームも下がるので、ドライ音とウェット音の音量が連動して変化します。