ノーマライズ (Normalize : 音量正規化)とは、オーディオファイルの音量のピーク値が指定した値になるように増幅する処理のことです。
ノーマライズの処理
ノーマライズは、まずオーディオファイル全体をスキャンして、音量のピークを検出します。
その後、そのピークが指定した値になるようにオーディオファイル全体を増幅します。
これらの処理は、DAWやプラグイン、オーディオ編集ソフトなどにより自動で行われます。
通常の場合、デジタルオーディオとして扱える最大値である0dBまで増幅します。
元々のオーディオファイルのピーク値が0dBの場合は、ノーマライズをかけても変化はありません。
例えば、元々のピーク値が-3dBであるオーディオファイルに、ピークが0dBになるようにノーマライズをかけるとします。
-3dBの部分を0dBにするので、オーディオファイルの全体を3dB増幅することになります。
ノーマライズとコンプレッサーの違い
ノーマライズは、オーディオファイルの始めから終わりまでの全体の音量を均等に上げます。
コンプレッサーやリミッターは、オーディオファイルの中で音量がスレショルド値を超えた区間のみ音量を下げます。
ノーマライズは、単なる音量の調整なので音圧を上げることはできません。
コンプレッサーやリミッターは、音圧を上げることができます。
ノーマライズは、オーディオファイルの始めから終わりまでをスキャンして音量の最大値を検出する必要があるため、リアルタイム処理はできません。
コンプレッサーやリミッターは、リアルタイム処理ができます。
ノーマライズによって音質は劣化するか?
ノーマライズは、単なるレベル調整です。
そのため、音質の劣化は実用上は無視できます。
ノイズが入っているオーディオファイルをノーマライズすると、ノイズのレベルも上がります。
これは、元々のオーディオファイルの音質が悪いということであって、ノーマライズによって音質が悪化するということではありません。
ノーマライズの用途
ノーマライズの用途としては、録音レベルの低いオーディオデータを保存するときに、ノーマライズをかけて0dBにそろえてから保存することなどがあります。
例えば、ドラムマシンの音をDAWでサンプリングしてから保存しておくという場合に、保存したサンプルの音量がバラバラでは使いにくいでしょう。
そのようなときに、ノーマライズをかけてから保存しておけば、サンプルの音量がそろっているので使いやすくなります。