SP-404 SX / Roland サンプラーのレビュー

サンプラー
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Roland の定番サンプラー SP-404 SX について解説します。

SP-404 SX とは

SP-404 SX / Roland は、シンプルな機能で使い方がかんたんなサンプラーです。

ロングセラー製品で、現行のサンプラーの中でもっとも人気がある機種のひとつです。

パッドを叩いて、リアルタイムにビートを演奏したり、前もって組んでおいたフレーズを再生しながら、リアルタイムにエフェクトをかけて演奏したりすることができます。

ローファイ系ヒップホップのビートメーカーに大人気のサンプラーです。

また、イベント・劇伴などでのポン出し用サンプラーとしても人気があります。

SP-404 SX の特徴

大定番のロングセラーモデル

本機 SP-404 SXは、2009年発売で現在でも売れ続けている大人気のロングセラー・サンプラーです。

本機とほぼ同じ機能の旧モデル SP-404 は、2005年の発売です。

シンプルで使いやすくライブ向け

操作方法が簡単で、サンプラー初心者の方でもかんたんに使うことができます。

12のパッドを叩いて、サンプルやフレーズを再生し、上部のディスプレイまわりの6つのボタンでエフェクトを選択、最上部のつまみでエフェクトのパラメーターを操作するというのが基本的な使い方です。

直感的に操作でき、ローファイ系ヒップホップなどのライブでの使用に最適です。

緻密な曲作りには向いていません。

12パッドx 10バンク

12のパッドと10のバンクがあり、120個のサンプルをパッドにアサインできます。

29種のエフェクト

29種類のエフェクトを内蔵しています。

ボタンでエフェクトを切り替え、つまみを操作することで、直感的にエフェクトをかけることができます。

どのパッドにエフェクトをかけるか設定することができます。

オーディオイン、マイクインから入力された音に対してもエフェクトをかけられます。

同時にかけられるエフェクトはひとつのみです。

エフェクトは、ディスプレイの左右にある6つのボタンで切り替えます。

29種類のエフェクトのうちの5つのエフェクトは、個別のボタンに割り振られており、ボタンを押すだけで選択できます。

残りの24種類のエフェクトはどれかひとつを選択し、ディスプレイ右下のMFXボタンに割り当てておきます。

個別にボタンがあるエフェクト

  • Filter + Drive: オーバードライブ付きローパスフィルター
  • Voice Trans: フォルマントシフト
  • Delay
  • Isolator: 低/中/高域の抽出や削除
  • DJFX Looper: ターンテーブル風のルーパー

MFXボタンに割り当てるエフェクト

  • Reverb
  • Tape Echo
  • Chorus
  • Flanger
  • Phaser
  • Tremolo/Pan
  • Distortion
  • Overdrive
  • Fuzz
  • Wah
  • Octave: オクターブ下の音を加える
  • Comp
  • Equalizer
  • Bit Crush
  • Noise Gen: ホワイトノイズ、レコードノイズなどを加える
  • Vinyl Sim: アナログレコード風の音を再現
  • Radio Tuning: ラジオ風の音を再現
  • Slicer + Flg: 音を連続的にカット、フランジャー付き
  • Ring Mod
  • Chromatic PS: 半音単位のピッチシフター
  • Pitch: ピッチシフター
  • C.Chanceler:センターに定位している音をカット
  • Subsonic: 低域にサイン波を加える
  • BPM Looper: ルーパー

リアルタイム入力のシーケンサー

パッドを叩いてリアルタイムに入力していくパターン・シーケンサーを搭載しています。

ワンショットのサンプルを組み合わせてリズムフレーズをつくったり、フレーズのサンプルを並べて曲にしたりすることができます。

タイミングのズレを修正するクォンタイズ機能、グルーヴ感を出すシャフル機能も搭載しています。

シーケンサーのステップ入力はできません。

タイムモディファイ機能

サンプルのピッチを変えずにテンポを変更できるタイムモディファイ機能を搭載しています。

リサンプリング機能

サンプリングされているサンプルに対して、エフェクトをかけながら鳴らし、これを新たなサンプルとしてサンプリングするリサンプリングが可能です。

直接サンプリング可能

オーディオイン、マイクインから本機に直接サンプリングできます。

SDカードにサンプルを保存

サンプルはSDカードに保存されます。

32GBまでのSDカードに対応してます。

1GBあたりモノラルで190分、ステレオで90分のサンプルが保存できます。

保存できるサンプル数は、120個までです。

同梱の1GバイトSDカードには、HIPHOP、R&B、ELECTROなど、最先端のDJ、ダンス・シーンを実現するループ・サンプル、ワンショット・サンプルを60種類収録(12サンプル×5バンク)してあり、すぐに使い始めることができます。

付属ソフトを使ってパソコンからサンプルをパッドにアサインできる

付属ソフト「SP-404SX Wave Converter」を使って、パソコン上のサンプルファイルを SP-404SX のパッドに割り当てた状態で SD カードに書き込むことができます。

WindowsでもMacでも使えます。

MIDIでシーケンス・シンクが可能

MIDIケーブルを使って、DAWやシーケンサーなどから本機のサンプルを再生できます。

また、MIDIクロックによるシンクも可能です。

MIxアウトのみ

オーディオ出力は、Mixでのステレオアウトのみです。

個々のパッドをパラアウトすることはできません。

電池駆動可能

付属のACアダプターのほか、電池駆動(単3 x 6本)にも対応していてポータブルに使えます。

SP-404 SX の仕様・スペック

  • 最大同時発音数: 12音
  • ひとつのサンプルの最大時間: 180分(ステレオ)
  • SDカード1GBあたりモノで180分、ステレオで90分のサンプルを保存可能
  • 32GBまでのSDカードに対応
  • 保存可能なシーケンスパターン数: 120 (SDカードに保存)
  • データ・フォーマット: 16ビット・リニア(.wav/aif)
  • サンプリング周波数: 44.1kHz
  • エフェクト: 29種類
  • パッド: 12個
  • つまみ: 4個(1xボリューム、3xエフェクト)
  • 内蔵マイクあり モノラル
  • LINE IN端子(L、R)(RCAピン・タイプ)
  • LINE OUT端子(L、R)(RCAピン・タイプ)
  • PHONES端子(ステレオ標準タイプ)
  • MIC IN端子(標準タイプ)
  • MIDI IN端子
  • DC IN端子
  • SDカード・スロット
  • 電源: DC9V(ACアダプター、充電式ニッケル水素電池単3形×6またはアルカリ乾電池単3×6) ※電池別売 連続使用時の電池の寿命 充電式ニッケル水素電池=約5時間、アルカリ乾電池=約4時間 ※使用状態によって異なる
  • 外形寸法: WDH 178 x 257 x 72
  • 重量: 1.2kg
  • 付属品: SDカード(1GB)、SP-404SX UTILITY CD-ROM、ACアダプター(PSB-1U)、取扱説明書、保証書、ローランド ユーザー登録カード
  • 別売品: キャリング・ケース(CB-SP1)、ヘッドホン(RH-D20、RH-D30)

SP-404SX と SP-404A の違い

2017年に SP-404SX の後継機 SP-404A が発売されています。

SP-404A は、Roland のドラムマシン Aira TR-8 との連携機能が追加されています。

TR-8からSP-404Aをシーケンスし、SP-404AのオーディオをTR-8に入力して、ドラム音色をレイヤリングしたり、TR-8のエフェクトをかけたりすることができます。

その他に、カラーリングと同封SDカードに保存されているサンプルが異なります。

SP-404A は、Airaシリーズと合わせた色使いになっています。

SP-404A は海外でのみ発売されており、日本では発売されていません。

SP-404SX と SP-404 の違い

SP-404 は、SP-404SX の旧型にあたる機種です。

機能にいくつかの違いがあります。

モデル SP-404 SP-404 SX
記憶メディア コンパクトフラッシュ SDカード
シャッフルクォンタイズ機能 なし あり
オーディオファイルのインポート・エクスポートが簡単に行えるパソコン用ソフト なし あり

SP-404 SX といっしょに購入しておくとよいもの

電池

SP-404 SX は単3乾電池6本を使用します。電池を購入しておくのがおすすめです。

三菱電機 アルカリ乾電池 単3形
パナソニック エネループ 単3形充電池
パナソニック エネループ 充電器セット 単3形充電池 4本付き

SDカード

SP-404SXには、1GBのSDカードが付属していますが、大容量のものを購入しておくのがおすすめです。最大32GBまでのSDカードが使用できます。

ケーブル

SP-404SXからDAWに録音するには、SP-404SXとオーディオインターフェースをつなぐケーブルが必要です。

SP-404SXのオーディオ出力はRCA端子、一般的なオーディオインターフェースのオーディオ入力は標準フォン端子です。

そのため、RCA-標準フォンの変換ケーブルが必要です。

ラインケーブル RCA-標準フォン

まとめ

SP-404 SX は、ローファイヒップホップのライブやビートメイクに最適なサンプラーです。

劇伴・イベント時のポン出し用にも向いています。

エフェクトの評価が高く、DAWやAkai/MPCシリーズでつくったトラックにSP-404 SXのエフェクトをかけるといった使い方をしているビートメイカーも多いです。

操作方法もかんたんで、サンプラー初心者の方でもすぐに使えるようになります。

初めてサンプラーを導入する方に最適のサンプラーです。

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