この記事では、フェイザーの仕組み・使い方を解説し、おすすめのフェイザー・ペダル・エフェクターを紹介します。
- おすすめフェイザーペダル
- MXR / M290 Phase 95
- MXR / M101 Phase 90
- Electro-Harmonix / Nano Small Stone
- TC Electronic / Helix Phaser
- Boss / PH-3 Phase Shifter
- Rowin / Phaser
- MXR / CSP101SL Script Phase 90 LED
- Rowin / Nano Phaser
- Electro-Harmonix / Bad Stone Phase Shifter
- MXR / M107 Phase100
- TC Electronic / Blood Moon Phaser
- Behringer / VP1 Vintage Phaser
- MXR / EVH90 Phase-90
- Rowin / Roto Engine
- Tone City / Summer Orange
- フェイザーとは
- フェイザーの使い方
- まとめ
おすすめフェイザーペダル
MXR / M290 Phase 95
MXR ( エムエックスアール ) / M290 Phase 95 は、MXRの人気モデルPhase 90とPhase45をコンパクトなミニサイズ筐体に収めたモデルです。
Phase90は大定番フェイザーで4ステージの効果の強いタイプです。
Phase45は、2ステージの効果がおだやかなフェイザーです。
基本的なパラメーターは、スピードのひとつのみです。
左側の45/90スイッチでPhase45とPhase90のサウンドが選択できます。
右側にはスクリプト(筆記体)モード切り替えボタンがあります。
初期のPhase90はロゴが筆記体であり、その時期のモデルの音を再現します。
スクリプトをオンにするとフィードバックが掛かった派手なサウンドに、オフにするとマイルドなサウンドになります。
Phase90は、オンにすると音量が上がってしまいますが、Phase95では音量は変わりません、そのためPhase95のほうが使いやすくおすすめです。
MXR / M101 Phase 90
MXR ( エムエックスアール ) / M101 Phase 90 は大定番のフェイザーエフェクターです。
1974年に発売され、現在までモデルチェンジすることなく定番フェイザーとして売れ続けいている歴史的名機です。
元祖フェイザーエフェクターと言われており、他社からも多くののモディファイ・モデルがラインナップされるなど、その後のフェイザーに多大な影響を与えています。
パラメーターがSpeedひとつだけのシンプルな操作です。
適度なフィードバックが設定されています。
音色は、かなり効果の強く個性の強いサウンドです。
実に深い味わいのある4ステージフェイザーです。
ON にするだけで程よいフィードバックときらびやかさを付加することから、クリーントーンのギターや、ボーカル、キーボード、シンセパッドなど、幅広い用途での使用に適しています。
Electro-Harmonix / Nano Small Stone
Electro-Harmonix ( エレクトロハーモニックス ) / Nano Small Stone は、スムーズかつトラディショナルなフェイズ効果が魅力の1974年発売の名機フェイズペダル「Small Stone」をコンパクトなボディで再現したモデルです。
温かみのあるファットな絶妙な揺れのフェイズサウンドが魅力です。
パラメーターは、RateノブとColorスイッチのみです。
Colorスイッチを上にすると深いうねりの過激なサウンド、下にすると浅いうねりのマイルドなサウンドになります。
TC Electronic / Helix Phaser
TC Electronic ( ティーシーエレクトロニック ) / Helix Phaser は、インパクト重視の回転サウンドから、オールパス・フィルターの揺らぎに浸るディープなエフェクト、フランジャーに近いジェットサウンドまで、幅広い音作りができるフェイザーです。
4つのノブ、Speed、Depth、Feedback、Mixを搭載しており、柔軟な調整が可能です。
トグルスイッチでは、マイルドなSmoothモードと、アタック感のあるVintageモード、TC Electronic社の定番機能 Tone Printモードを選択できます。
Tone Print は、パソコンで詳細なパラメーター設定をして、オリジナルのフェイズサウンドを作ることができる機能です。
また、プロギタリストの作った設定をロードすることもできます。
レイテンシーを発生させないアナログドライスルー方式を採用しています。
原音(ドライ音)はデジタルに変換されないため、AD(アナログ-デジタル)/DA(デジタル-アナログ)変換時に生じるレイテンシーを発生させません。
バイパス方式もトゥルーバイパスとバッファードバイパスから選ぶことができ、現代のギタリストのニーズに応えた設計となっています。
Boss / PH-3 Phase Shifter
Boss ( ボス ) / PH-3 は、PH-1、PH-2に続く最新型のフェイザーです。
世界初の新フェイズ・エフェクト「Rise/Fall」を搭載した独創的なフェイザーエフェクターです。
一般的なフェイザーでは、うねりが上がり下がりしますが、Riseではうねりが上がり続け、Fallではうねりが下がり続けます。
過激な上昇/下降感が得られます。
4/8/10/12段の4種のフェイズ・モードに加えてステップ・フェイザー、RISE/FALLモードの7種のモードを選択可能です。
ステップフェイザーはうねりが階段状に上下する機能です。
Rise/Fallは、世界初の新フェイズ・エフェクトです。
一般的なフェイザーでは、うねりが上がり下がりしますが、Riseではうねりが上がり続け、Fallではうねりが下がり続けます。
過激な上昇/下降感が得られます。
エクスプレッション・ペダルによるRATEのタップテンポ入力も可能で、定番のサウンドから実験的なサウンドまで可能な、幅広い機能を備えた定番フェイザーです。
Rowin / Phaser
Rowin ( ローウィン ) / Phaser は、フルアナログのフェイザーエフェクターです。
ビンテージとモダンの2つのモードを選択できます。
MXR / CSP101SL Script Phase 90 LED
MXR ( エムエックスアール ) / CSP101SL Script Phase 90 LED は、スクリプト・ロゴ時代の「Phase 90」のサウンドを再現しながら、LEDや電源アダプター入力などの現代的な仕様を持たせたフェイザーです。
現行のPhase 90に比べると、掛かり方があっさりしているのが特徴。
コントロールはノブ一つと非常にシンプルですが、薄くコーラス的な使い方から、飛び道具的な使い方まで、幅広い用途で使用できるエフェクターです。
Rowin / Nano Phaser
Rowin ( ローウィン ) / Nano Phaser は、コンパクトなフェイザーエフェクターです。
ビンテージとモダンの2つのモードを選択できます。
Electro-Harmonix / Bad Stone Phase Shifter
Electro-Harmonix ( エレクトロハーモニックス ) / Bad Stone Phase Shifter は、1970年代の伝説的なフェイズシフター「Bad Stone」を現代に蘇らせたペダルです。
オリジナルに忠実な回路、3つのノブ、そしてモダンな拡張機能を持ちます。
トグルスイッチで選択できるAutoモードは、一般的なフェイザーで、うねりの速さをRateノブで設定します。
Manualモードでは、うねりを発生させるLFOが止まり、フェイザーのうねりを途中で止めたような効果が得られます。
Manual Shiftノブの設定により、位相ずれの特性が決まります。
Manual Shift ノブは、トグルスイッチでManualモードを選択したときのみ機能します。
MXR / M107 Phase100
MXR ( エムエックスアール ) / M107 Phase100 は、フェイザーの名機Phase90の音作りの幅を広げたアップグレードモデルです。
Phase90 と同様のSpeedノブに加えて、効果の異なる4種類のモードを選択できるIntensityノブが追加されています。
ゆったりとしたロータリーサウンド、激しくうねるジェットサウンドまで幅広い音作りが可能なフェイザーペダルです。
TC Electronic / Blood Moon Phaser
TC Electronic ( ティーシーエレクトロニック ) / Blood Moon Phaser は、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアやヴァン・ヘイレンのプレイで聞くことができる、古き良き70年代の濃密なフェイズサウンドを再現したペダルです。
4ステージのアナログフィルターを採用しており、分厚いうねり感が特徴です。
Rate、Depth,Feedbackの3ノブでシンプルで使いやすいフェーザーペダルです。
Behringer / VP1 Vintage Phaser
Behringer ( ベリンガー ) / VP1 Vintage Phaser は、エレクトロ・ハーモニクス社のフェイザーの名機 Small Stone を再現したペダルです。
安い価格でビンテージ風フェイズ・サウンドを手にいれることができます。
RateノブとToneスイッチのみのシンプルな構成です。
Toneスイッチを上げると強い効果、下げるとマイルドな効果が得られます。
ロータリースピーカーからジェットサウンドまで幅広い音作りが可能です。
ギターだけでなく、キーボードやシンセにも最適です。
MXR / EVH90 Phase-90
MXR ( エムエックスアール ) / EVH90 Phase-90 は、エディ・ヴァンヘイレンとジム・ダンロップのコラボレーションにより完成したPhase 90の進化版です。
Speedノブとスクリプトスイッチのシンプルなコントロールです。
スクリプトスイッチをオンにすると、スクリプトロゴ期の派手なサウンドが得られます。
オフにするとマイルドなサウンドになります。
Rowin / Roto Engine
Rowin ( ローウィン ) / Roto Engine は、60年代風のサイケデリックなフェイザーペダルです。
フェイザー、バイブ、コーラスの3つのモードを選択できます。
Tone City / Summer Orange
Tone City ( トーンシティ ) / Summer Orange は、MOSFETを使用した完全アナログ回路による4ステージフェイザーです。
深いフィードバックを加えることによりジェットサウンドもクリエイトできるヴィンテージ的なフェイズサウンドです。
ドライブサウンドとの相性も抜群です。
フェイザーとは
フェイザー(Phasor)は、モジュレーション系エフェクトの一種で、シュワーとうねるような効果を出すエフェクターです。
ギターソロを強調したり、クリーントーンのコードに豊かさを加えたりすることができます。
キーボードやシンセのパッド音にゆらぎを加えるのにも適しています。
音数の多い速いフレーズよりも、ゆったりとして音数の少ないフレーズに向いたエフェクトです。
フェイザーの歴史
フェイザーは、元々フェイズシフターと呼ばれていましたが、省略されフェイザーと呼ぶようになりました。
フェイザーは、その起源を1940年代に考案されたレスリースピーカーです。
レスリースピーカーは、協会のパイプオルガンの音色を手軽なハモンドオルガンで再現するために考案されたものです。
レスリーとは、考案者の名前です。
レスリースピーカーは、スピカーを回転させる原理のためローターリースピーカーとも呼ばれます。
レスリースピーカーの効果を、電子回路で再現しようとしたものが、1960年代に開発されたのがフェイズシフターです。
フェイズシフターの効果は、レスリースピーカーとは異なりましたが、その独特のシュワシュワとした効果は、モジュレーション系エフェクトの1種として定番のひとつとなっています。
フェイザーの原理・仕組み
フェイザーは、原音と原音にオールパスフィルターをかけた音を混ぜます。
オールパスフィルターとは、周波数特性を変えずに位相ズレ(Phase Shift: フェイズシフト)だけを発生させるフィルターです。
位相ズレが発生した音と原音を混ぜると、特定の帯域で位相が干渉して音が増幅したり減衰したりし、ピークフィルターやノッチフィルターのような効果が発生します。
ノッチフィルターとは、ある範囲の周波数の信号のみ減衰させ、それ以外の周波数の信号を通すフィルタ回路です。
バンドストップフィルターとも呼ばれます。
オールパスフィルターの特性をLFOで周期的に変化させると、増幅・減衰する帯域の周波数が上がったり下がったりして、シュワーとしたフェイジング効果が生まれます。
ステージとは
ステージとは、フェイザーの回路の中のオールパスフィルターの段数です。
2ステージのフェイザーでは、2つのオールパスフィルターが使われています。
ステージは、2つで一組で、2ステージごとに1箇所の帯域が減衰するノッチフィルターが発生します。
例えば、2ステージなら1箇所の帯域が減衰し、4ステージなら2箇所の帯域が減衰します。
ステージが多くなるほど、音色の変化が大きく、フェイザーの効果が強くなります。
ステージ数は、2、4、6、8、12、多いものでは32などの機種があります。
アナログ/デジタル
フェイザーエフェクターにはアナログものとデジタルのもとがあります。
一般的にアナログのほうが有機的で温かみのあるサウンドが得られます。
デジタルのメリットは、価格が安いことや、多くのステージが組める、ペダルをタップすることでレイトを設定できるタップテンポ機能が搭載されているなどフレキシビレィティが高いことです。
フランジャー、コーラスとの違い
フェイザーはフランジャー/コーラスと仕組みや効果が似ていますが、フェイザーのほうが効果がおだやかです。
フェイザーはよりマイルドなサウンド、フランジャーは金属的なサウンド、コーラスはユニゾンで合唱しているようなサウンドです。
フェイザーが、2ステージごとに1つの帯域の減衰させるノッチフィルターのようなものあるのに対して、フランジャー/コーラスは多数の帯域を減衰させるコムフィルター(くし形フィルター)です。
ノッチフィルターよりコムフィルターのほうが、音の変化が広い帯域にわたるため、音色の変化が大きくなります。
ステレオフェーザー
ステレオフェーザーとは、左右のチャンネルに異なるうねりを発生させて広がりのあるフェイジングサウンドをつくるエフェクトです。
ステレオフェーザーは、左右にチャンネルに位相を反転させたLFOをかけるか、または、オールパスフィルター通過後の信号を左右のチャンネルで位相を反転させて、左右で異なるうねりを発生させます。
フェイザーの使い方
フェイザーのパラメーターには、以下のものがあります。
スピード/レイト
スピード(Speed)、または、レイト(Rate)は、LFOのスピードを調整します。
スピード/レイトを速くすると音のうねりが速くなります。
デプス
デプス(Depth)は、LFOの深さを調整します。
デプスを大きくするとうねりの大きさが大きくなります。
フィードバック/レゾナンス
フィードバック/レゾナンス(Feedback/Resonance)は、オールパスフィルターの回路の出力を、オールパスフィルターの回路の入力に戻す量を調整します。
フィードバックを大きくするとよりエフェクトの効果が強くなります。
ドライ/ウェット
ドライ/ウェット(Dry/Wet)は、原音(ドライ音)とオールパスフィルターを通過した音(ウェット音)との音量のバランスを調整します。
ウェットを大きくすると、うねりが強くなります。
まとめ
おすすめのフェイザーエフェクターペダルと使い方について解説しました。
他の種類のおすすめエフェクターについては、こちらを参照してください。