MicroKorg, S, XL+ / Korg コルグのシンセサイザーのレビュー

シンセサイザー
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この記事では、Korg(コルグ)社のシンセ MicroKorg(マイクロコルグ)、MicroKorg S、MicroKorg XL+ について解説します。

MicroKorg

MicroKorg とは

MicroKorg / Korg
MicroKorg / Korg

MicroKorg / Korg は、コンパクトなアナログモデリングシンセサイザーです。2002年の発売から現在まで売れ続けている超ロングセラーシンセです。

MicroKorg の特徴

アナログモデリング

MicroKorg は、アナログモデリング合成のデジタルシンセです。アナログモデリングはデジタルでアナログシンセをシミュレートしたものです。 音源エンジンには、Korgのアナログモデリングシンセ MS2000 と同じもののが使われています。 フロントパネルのつまみであらゆるパラメーターが調整可能で、詳細な音作りが可能です。

37ミニ鍵盤

ベロシティセンス対応の37鍵のミニ鍵盤を搭載しています。

4音ポリフォニック

4音まで同時に発音できる、4音ポリフォニックです。

2マルチティンバー

2つまでの音色を重ねられる、マルチティンバー機能を搭載しています。

8種のオシレーターアルゴリズム

microKORGには1ボイスにつき、2つのオシレーター(OSC1、OSC2)を搭載しています。OSC1にはノコギリ波、矩形波、サイン波など基本的なアナログ波形に加えて人声のフォルマントを持ったVOX Waveやコルグ・デジタル・シンセサイザーの名機DW-8000に代表されるDWGS(デジタル波形64種類)などを搭載しています。基本的なアナログ波形だけでも、波形コントロール・パラメータにより複雑に波形を変形でき、さらに3つの基本的なアナログ波形を持つOSC2とのモジュレーション(リング、シンク)を駆使すれば、オシレーターだけでも非常に複雑な音作りが簡単に行えます。 また、外部からの入力音をOSC1の代わりに使うこともできます。

4種のフィルター

フィルターは、ローパス2種(‐12dB/‐24dB)、バンドパス、ハイパスの4種から選択できます。

2エンベロープ、2LFO

エンベロープとLFOはそれぞれ2機づつ搭載しており、幅広い音作りが可能です。

ボコーダー付き

歌声をロボット風に加工できるボコーダー機能を搭載しています。ボコーダー用の小型コンデンサーも付属しています。

128のプリセット

2バンク x 8ジャンル x 8パート の128のプリセットを収録しています。自分で作成した音色を保存することもできます。

3系統のエフェクト

エフェクトは、モジュレーション、ディレイ、EQの3つを同時にかけることが可能です。 モジュレーション: コーラス/フランジャー、フェイザー、アンサンブル ディレイ: ステレオ、クロス、L/R EQ: 2バンドEQ ディレイ・エフェクトは、アルペジエイターや外部MIDIクロックとテンポシンクさせることが可能です。

自由にパターンを組めるアルペジエーター

6タイプのアルペジオ・パターンを内蔵(UP、DOWN、ALT1/2、Random、Trigger)。なかでもTriggerは発音タイミングをステップ・シーケンサー的にプログラムでき、自分だけのアルペジオ・パターンを生み出すことができます。 アルペジオの発音の長さや間隔、発音のオン/オフなどの設定も自在です。

外部オーディオを加工できる

オーディオインから入力した音をオシレーターとして使い、フィルターやエフェクトなので加工することができます。

MIDI入出力付き

MIDI出力を利用して、MicroKorgをDAWのMIDIコントローラー・キーボードとして使うこともできます。つまみもMIDIに対応しており、DAW内のパラメーターをつまみで操作することもできます。 MIDI入力を利用して、MicroKorgを外部のDAWなどからシーケンスすることもできます。

電池駆動可能

電源アダプターによる電源供給だけでなく、電池駆動(単3電池6本)も可能です。

付属ソフトでパソコンから音色を設定可能

付属ソフト Sound Editor を用いて、パソコンから音色を設定することができます。

MicroKorg S

MicroKorg S / Korg
MicroKorg S / Korg

MicroKorg S は、MicroKorg(無印)に加えて、下記の機能が追加されたモデルです。

MicroKorg S と MicroKorg(無印)の違い

カラーリングの変更

フロントパネルは白を基調とし、サイドウッドパネルは明るいメープル素材に変更されています。

スピーカーを内蔵

内蔵スピーカーを追加しています。低域までしっかりと再生できるウーファーを搭載しています。

音色メモリを倍増

メモリーエリアが倍増されており、MicroKorgの128プリセットに加えて、新たに64のプリセットと64のユーザーエリアが追加されました。

お気に入りの音色をワンタッチで呼び出すフェイバリット・セレクト機能

フロントパネルの8つのボタンにお気に入りの音色をアサインし、ワンタッチで呼び出せるフェイバリット・セレクト機能が追加されました。

MicroKorg の仕様・スペック

  • 音源:アナログ・モデリング・シンセシス・システム
  • 最大同時発音数:4
  • プログラム数:無印:128、S:256
  • エフェクター:モジュレーション・エフェクト、ディレイ、イコライザー
  • 鍵盤部:ミニ鍵盤、37鍵、ベロシティ対応
  • 入力:AUDIO IN 1、AUDIO IN 2
  • 出力:L/MONO、R(標準フォーン・ジャック)、Headphones(標準ステレオ・フォーン・ジャック)
  • MIDI:IN、 OUT、THRU
  • 電源:DC9V、乾電池(単三型×6)
  • 寸法・重量:524W×232D×70Hmm、2.2kg(本体のみ)
  • 付属品:ACアダプター、コンデンサー・マイクロフォン

MicroKorg XL+

MicroKorg XL+ / Korg
MicroKorg XL+ / Korg

MicroKorg XL+ / Korg は、アナログモデリングだけでなくPCMサンプリングによるリアルなピアノやオルガン音色も使えるシンセサイザーです。 基本的には、MicroKorg(無印)をベースとしているシンセです。

MicroKorg XL+ の特徴 MicroKorg(無印)との違い

同時発音数8

MicroKorg XL+の最大同時発音数は8音です。MicroKorgは4音です。

ナチュラルタッチ鍵盤

MicroKorg XL+ には、MicroKorg(無印)より弾きやすいナチュラルタッチ鍵盤が採用されています。

シンセエンジン

MicroKorgXL+ は、アナログモデリングのみでなくPCMサンプリング式も搭載しており、リアルなピアノやオルガンの音色を鳴らすことができます。 MicroKorgXL+ のシンセエンジンは、Korgのシンセ Radias / R3 と同じものです。 MicroKorg(無印)には、MS2000と同じシンセエンジンが使われています。

音色編集がしにくい

MicroKorgXL+ も、MicroKorg(無印)同様あらゆるパラメーターをつまみで調整できますが、音色編集の操作方法がやりにくくなっています。 プリセットを使うだけでなく、自分で音作りをしたい場合はMicroKorg(無印)のほうがやりやすいでしょう。

MicroKorgのプリセットも使用可能

MicroKorg XL+ も、MicroKorg(無印)と同様に、付属ソフトを用いてパソコンから音色編集が可能です。 付属ソフトには、MicroKorg(無印)やMS2000などのプリセットが収録されており、それらをMicroKorg XL+にロードすることができます。

2系統17種のエフェクト

MicroKorg XL+では17種類のエフェクトの中から、2つのエフェクトを同時に使うことができます。 MicroKorg(無印)は、モジュレーター3種の中からひとつ、ディレイ3種の中からひとつ、それに加えてEQの合わせて3つのエフェクトを同時に使うことができます。

MicroKorg XL+ の仕様・スペック

  • 音源:MMT(マルチ・モデリング・テクノロジー)
  • 最大同時発音数:8
  • プログラム数:128
  • エフェクター:17種
  • 鍵盤部:ミニ鍵盤、37鍵、ベロシティ対応、ナチュラルタッチ
  • 入力:AUDIO IN 1、AUDIO IN 2
  • 出力:L/MONO、R(標準フォーン・ジャック)、Headphones(標準ステレオ・フォーン・ジャック)
  • MIDI:IN、 OUT
  • 電源:DC9V、乾電池(単三型×6)
  • 寸法・重量:556mm(W)x231mm(D)x73mm (H)、2.0kg(本体のみ)
  • 付属品:ACアダプター、コンデンサー・マイクロフォン

まとめ

MicroKorg / Korg は、初心者でも使いやすいコンパクトなアナログモデリングシンセです。自由な音作りが可能で、操作方法もわかりやすく、音楽制作からライブまで、幅広い用途におすすめのシンセです。MIDIキーボードとしても使えるため、DTMにも最適です。