この記事では、エキサイター・エンハンサーとは何かについて解説し、おすすめのエキサイター・エンハンサーVSTプラグインソフトを紹介します。
エキサイター・エンハンサーとは
エキサイター(Exciter)・エンハンサー(Enhancer)は、倍音を発生させ音に明るさやパンチ感、暖かさ、存在感を加えるためのエフェクトです。
ボーカルに高域を加えて抜けのよいきらびやかな音にしたり、ベースに中域を加えて低域の出にくい再生環境でもベースをしっかりと聴かせたりすることができます。
エキサイターとエンハンサーは機能的に同じものです。メーカー、製品によりどちらを名前に使うかが異なります。
エキサイター・エンハンサーと似たエフェクトにサチュレーターがあります。サチュレーターが全帯域に対して歪みを発生させ倍音を加えるのに対し、エキサイター・エンハンサーは、特定の帯域に対して倍音を加えます。
マルチバンド・サチュレーターとマルチバンド・エキサイターは、機能的に同じものです。
おすすめエキサイター・エンハンサーVSTプラグインソフト
Saturn 2 / FabFilter
Saturn 2 / FabFilter は、グラフィカルなインターフェイスで使いやすいマルチバンド・サチュレーションプラグインです。
最大6つまでの帯域に分割できるマルチバンド機能を搭載していて、帯域ごとに個別にサチュレーションをかけることができます。
28種類の歪みタイプを選択可能です。定番の真空管やテープから、ギターアンプをモデルとした「Amp」、サウンドを激変させる「FX」など非常に歪みの種類が豊富です。ソフトなサチュレーションから激しいディストーションまでさまざまな歪みサウンドをつくることができます。
LFOやエンベロープフォロワーなどのモジュレーション機能でパラメーターを動的に変化させることもできます。
Ozone Exciter / iZotope
Ozone Exciter / iZotope は、マスタリング用総合プラグインOzoneに収録されているエキサイターです。
シングルから4バンドまで自由に選択できます。音のキャラクターが異なる7つのモードがあります。
Spectre / Wavesfactory
Spectre は、EQ風の操作で使えるマルチバンドサチュレーター・エンハンサープラグインです。
一般的なマルチバンドサチュレーターでは、帯域ごとに分割して処理を行いますが、SpectreではEQをかけたサウンドと元のサウンドの差分にサチュレーターをかけ、元のサウンドとミックスします。
EQと同様にQを調整して、ピンポイントで狭い帯域を狙ったり、ゆるいカーブで広い帯域を狙ったりしてサチュレーションをかけることができ、繊細な歪みのコントールが可能です。
10種類のサチュレーションアルゴリズムが用意されています。
各バンドごとに処理するチャンネルをStereo、Left、Right、Mid、Sideから選択できます。
Spectre は、EQ風の操作で使いやすいマルチバンドサチュレーターです。ミックスのクオリティを上げるために持っておきたいプラグインです。
Aphex Vintage Aural Exciter / Waves
Aphex Vintage Aural Exciter / Waves は、有名なアナログ真空管エキサイター Aphex Aural Exciter のモデリングプラグインです。
EQでボーカルのハイをブーストしても、いまいちヌケが悪いというときに、エキサイターを使えば、きらびやかでヌケのいいボーカル音をつくることができます。
定番のバンドルには収録されていません。単品購入がおすすめです。