この記事では、ディエッサーの機能、使い方について解説し、おすすめのディエッサーVSTプラグインソフトを紹介します。
ディエッサーとは
ディエッサー(Deesser)とは、「歯擦音(しさつおん、シビランス)」と呼ばれる耳障りな「ess」または「shh」音を低減または除去するためのエフェクトです。
仕組みとしては、コンプレッサーに似ています。
ディエッサーは、歯擦音がある帯域(4kHz~10kHzあたり)の音量がしきい値を超えると、その帯域の音量を下げます。
おすすめディエッサープラグイン
Pro-DS / FabFilter
Pro-DS / FabFilter は、グラフィカルな表示で初心者でも使いやすいディエッサープラグインです。
圧縮した箇所を黄色く表示するスクロール波形と、周波数スペクトルのどこで歯擦音を検出するかを示す左下隅の小さなストリップにより、その動作を表示します。
ボーカル専用とより複雑な信号用の2つのモード、ルックアヘッド、外部サイドチェーン機能など多機能なディエッサーです。
ボーカル以外の音に適した 「オールラウンド」モードにより、Pro-DSは、シンバル、過度のフレットノイズのあるアコースティックギター、および不快な高周波コンテンツに苦しむほとんどすべてのソースで、望ましくない耳障りな音を抑えることができます。
Oxford SuprEsser / Sonnox
Oxford SuprEsser は、ボーカルの耳障りな歯擦音を低減するディエッサープラグインです。
歯擦音に限らず低域でも高域でも不快な帯域を低減するコンプレッサーとしても使用できます。
リッスン機能では、全帯域、選択帯域、非選択帯域を指定してモニタリングでき、狙うべき帯域をかんたんに設定できます。
グラフィカルなインターフェイスで使いやすいディエッサーです。
Sibilance / Waves
Sibilance / Waves は、Wavesが開発した「Organic ReSynthesis」技術により、歯擦音のみを圧縮し、その他の部分の音質を維持することができるディエッサープラグインです。
他のディエッサープラグインの多くは、単に狭帯域コンプレッサーのような役割を果たします。
狭帯域圧縮の問題は、多くの場合、望ましい信号の多くが歯擦音とともに切り取られ、その結果、グリッチと不自然な音声が発生することです。
Sibilanceは、歯擦音だけを処理することにより、この問題をきちんと回避します。したがって、元のオーディオの共鳴と音色を維持しながら、優れたディエッサーのすべての利点を得ることができます。
収録バンドル: Gold, Platinum, Diamond, Horizon
Renaissance DeEsser / Waves
Renaissance DeEsser / Waves は、シンプルで使いやすいディエッサーです。
基本的な機能のみで、初心者の方でもかんたんに使えます。
収録バンドル: Platinum, Diamond, Horizon
DeEsser / Waves
DeEsser / Waves は、シンプルで使いやすいディエッサーです。
スレッショルドのスライダーを下げていくだけなので、かんたんに使うことができます。
Renaissance DeEsser / Waves との違いは、この「DeEsser」には、Rangeパラメーターがないことです。
収録バンドル: Silver, Gold, Platinum, Diamond, Horizon
T-De-Esser / Techivation (フリー)
T-De-Esser / Techivation は、無料のディエッサープラグインです。 T-De-Esser / Techivation
Lisp / Sleepy-Time DSP(フリー)
Lisp / Sleepy-Time DSP は、シンプルな無料のディエッサープラグインです。 リダクションノブを調整するだけで、かんたんに歯擦音を抑えることができます。 Windows版のみです。 Lisp / Sleepy-Time DSP
ディエッサーの使い方
ディエッサーのパラメーターの主なものは、スレショルド、レンジ、リリースタイム、ルックアヘッド、ワイド/スプリット、フリーケンシーです。
「スレショルド(Threshold)」は、ディエッサーを動作させるしきい値を設定します。
音量がスレショルドを超えるとディエッサーが音量の圧縮を始めます。
「レンジ(Range)」は、圧縮量を調整します。
レンジを大きくすると、圧縮量が大きくなり歯擦音の音量がより小さくなります。
「リリースタイム(Release Time)」は、圧縮が開放されるまでの時間を設定します。
「ルックアヘッド(Lookahead)」は、音声信号を先読みして歯擦音を検知する機能です。
ルックアヘッド機能を使うと歯擦音を取り逃がすことを防ぐことができます。
「ワイドバンド/スプリットバンド(Wide / Split)」は、圧縮を行う周波数帯域を設定します。
ワイドバンドは、全帯域を均等に圧縮します。
スプリットバンドでは、高域のみを圧縮します。
「フリーケンシー(Frequency)」は、音量を検知するサイドチェーン回路の信号にかけるハイパス、または、バンドパスフィルターのカットオフ周波数を調整します。