作曲初心者の方が困るのが「どのコード進行を使えばいいのか分からない」ということではないでしょうか。
コード理論の解説書などには、あまりに多くのパターンやテクニックが書かれていて、実際に使えるのはどのコード進行なのか分かりにくいです。
そこで、この記事ではポップスのヒット曲で実際によく使われている定番のコード進行とその使用曲を紹介します。
コード理論が分からないという方には、こちらの本がオススメです。
基礎から応用まで、コード理論のすべてを学ぶことができます。
おすすめコード進行
よく使われている定番のコード進行をピックアップして紹介します。 すべてCメジャースケールに移調して表記しています。
4-5-3-6 (F-G-Em-Am) | 王道進行
日本で「王道進行」と呼ばれているコード進行です。
日本人が非常に好むコード進行として有名です。
邦楽の多数のヒット曲で使われています。
軽く爽やか、かつ少し切ない感じの進行です。
洋楽では、80年代後半にヨーロッパと日本で流行したジャンル「ユーロビート」で、王道進行がよく使われました。
4-5-3-6 (F-G-Em-Am)王道進行の使用曲
平井堅 – 瞳をとじて (2004)
使用箇所: サビ F-G-Em-Am | Dm-EM-Am-Gm-C 「王道進行」と下で説明する「Just The Two of Us進行」に似た進行をつなげています。
YOASOBI – 怪物 (2021)
使用箇所: サビ F-G-Em-Am | F-EM-Am-Gm-C 「王道進行」と下で説明する「Just The Two of Us進行」をつなげた進行です。
ONE OK ROCK – 完全感覚Dreamer (2010)
使用箇所: サビ
Michael Fortunati – Give Me Up (1987)
使用箇所: イントロ、サビ、間奏
1-5-6-3-4-1-4-5 (C-G-Am-Em-F-C-F-G)|カノン進行
いわゆるカノン進行。
17世紀のドイツの作曲家、ヨハン・パッヘルベルによるカノンで使われたコード進行です。
もっとも有名なコード進行のひとつで、「王道進行」と同じく邦楽の多数のヒット曲で使われています。
長いコード進行のため、後半は変形される場合も多いです。
カノン進行の使用曲
クリスマス・イブ – 山下達郎 (1983)
使用箇所: サビ、ブリッジ
Dragon Night / SEKAI NO OWARI (2015)
使用箇所: 全体
Oasis – Don’t Look Back In Anger (1995)
使用箇所: コーラス(イントロの後の歌い始め) 後半を変形して「C-G-Am-Em-F-G-C-Am-G」となっています。
その他
- あいみょん – マリーゴールド (2018)
- Perfume – 未来のミュージアム (2013)
- Zard – 負けないで (1993)
- Pet Shop Boys – Go West (1993)
- Daryl Hall – Dreamtime (1986)
- Billy Joel – Piano Man (1973)
6-4-5-1 (Am-F-G-C)|小室進行
小室哲哉氏がよく使っていたため、日本では「小室進行」として知られているコード進行です。
マイナーコードで暗く始まり、その後メジャーコードが上昇していく高揚感のあるコード進行です。
6-4-5-1 (Am-F-G-C) 小室進行の使用曲
TM Network – Get Wild (1987)
使用箇所: イントロ、サビ
ヨルシカ – 花に亡霊 (2020)
使用箇所: サビ、間奏
Calvin Harris – This Is What You Came For ft. Rihanna (2016)
使用箇所: 曲の頭のドラムが入る前の部分 ドラムが入ったところで、「6-4-5-1」と似た進行の「4-4-5-6」へ変わっています。
Just The Two of Us 進行
Just The Two of Us進行とは、その名の通り「Just The Two of Us」という曲で使われたコード進行です。
- IVM7ーIII7ーVIm7ーI7
- FM7 – E7 – Am7 – C7 (Cメジャースケール)
Just The Two of Us進行は、おしゃれなコード進行の代表とも言える進行で、邦楽/洋楽問わず広く使われています。 日本では、椎名林檎さんが「丸の内サディスティック」で使ったことでよく知られています。
Just The Two of Us 進行の使用曲
椎名林檎 – 丸の内サディスティック
あいみょん – 愛を伝えたいだとか
Ariana Grande – thank u, next
4-5-6-1(F-G-Am-C)
近年よく使われているコード進行。
ルート(ベース)が「ファ〜ソ〜ラ〜ド〜」と順番に上がっていくため、わかりやすい高揚感があります。
「4-5-6」と似た進行ですが、「4-5-6」が暗い印象なのに対し、この「4-5-6-1」は明るい印象の進行です。
「4-5-6」や「4-5-6-5」「4-5-6-3」と合わせて使われることも多いです。
4-5-6-1(F-G-Am-C)の使用曲
DAOKO × 米津玄師 – 打上花火 (2017)
使用箇所: イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ(4-5-6-3 | 4-5-6-1)
Major Lazer & DJ Snake – Lean On (feat. MØ) (2015)
使用箇所: イントロ以外 sus4などで装飾してあります。
4-5-6(F-G-Am)
「4-5-6-1」と似たコード進行ですが、トニック(C)へ行って開放せずAmのまま終わります。
ベースが「ファ〜ソ〜ラ」と上がっていくため高揚感があり、Amで終わるので少し暗い感じのコード進行です。
「4-5-6-1」「4-5-6-5」と合わせて使われることも多いです。
4-5-6(F-G-Am)の使用曲
米津玄師 – orion (2017)
使用箇所: イントロ 4-5-6-1-4-5-6
4-5-6-5(F-G-Am-G)
4-5-6を上がって下がってゆらゆらする、荘厳で切ない感じのあるコード進行です。
「4-5-6-1」と似ていますが、1へ行って開放しないので、より抑制した感じの進行です。
「4-5-6」「4-5-6-1」と組み合わせて使われることも多いです。
4-5-6-5(F-G-Am-G)の使用曲
羊文学 – 1999 (2019)
使用箇所: ほぼ全体
The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This (2017)
使用箇所: 全体
4-5-6-3(F-G-Am-Em)
コード進行の最後で3へ降りて沈む印象があり「4-5-6」で始まる進行の中では、もっとも暗い感じの進行です。
循環させると終わりの3から「3-4-5-6」と順々に上がっていくため、暗さや切なさがありながらも、高揚感があります。
「4-5-6」「4-5-6-1」「4-5-6-5」と同系統の進行です。
4-5-6-3(F-G-Am-Em)の使用曲
The Kid LAROI, Justin Bieber – STAY (2021)
使用箇所: ほぼ全体 トランジションのところで「3」を省略して「4-5-6」にしています。
米津玄師 – orion (2017)
使用箇所: サビ サビの前半が「4-5-6-3-4-5-6-1」で、「4-5-6-3」と「4-5-6-1」を組み合わせています。 「4-5-6-3」で抑えめにしておいて、「4-5-6-1」で盛り上がる感じです。
1-5-6-4 (C-G-Am-F) | レット・イット・ビー進行
洋楽でもっともよく使われるコード進行。
ビートルズの名曲「Let It Be」の出だしで使われているため、「Let It Be進行」と呼ばれています。
トニックから始まる、安定感があり重たい感じの進行です。
今風というよりはクラシカルな印象を与えるコード進行です。
現在でもよく使われる進行です。
ベースを「ド〜シ~ラ」とスムーズにつなぐために、「C-G/B-Am-F」にすることも多いです。
「1-5-6-4」を6から始めた「6-4-1-5」も、よく使われます。
1-5-6-4 (C-G-Am-F) の使用曲
スピッツ – チェリー (1996)
使用箇所: イントロ
Maroon 5 – Girls Like You ft. Cardi B (2018)
使用箇所: 全体
6-4-1-5 (Am-F-C-G)
洋楽でもっとも使わている進行の「1-5-6-4」を6から始めた進行。
この「6-4-1-5」も「1-5-6-4」と同様に非常によく使われています。
「1-5-6-4」が明るめの進行であるのに対し、この「6-4-1-5」は暗めの進行です。
6-4-1-5 (Am-F-C-G) の使用曲
RADWIMPS – 前前前世 (2016)
使用箇所:サビ
Alan Walker – Faded (2015)
使用箇所: 全体
コード進行パターン集
ダイアトニックのメージャーコード、マイナーコードのみの進行で、実際に使われているパターンのまとめです。
1-2-3-2 (C-Dm-Em-Dm)
「トニック-サブドミナント」を繰り返す、淡々とした進行。
1-2-3-4 (C-Dm-Em-F)
ルートが順々に上がっていく、高揚感のある進行。
- The Cure – Boys Don’t Cry (1980) : イントロ、ヴァース、コーラス
1-2-3-6 (C-Dm-Em-Am)
トニック系コードが多い、落ち着いた印象の進行。
1-2-4-5 (C-Dm-F-G)
ベースが上がっていく、高揚感ある進行。
- NENA – 99 Luftballons (1983): ブリッジ以外
1-2-5-6 (C-Dm-G-Am)
ツーファイブの「2-5」の後にトニックの「1」へ進まず、「6」へ偽終止するパターン。
1-3-2-5 (C-Em-Dm-G)
定番の循環コード「1-6-4-5」のトニックの代理の「6」を「3」に、サブドミナントの「4」を「2」に変えたパターン。
1-3-4-5 (C-Em-F-G)
定番の循環コード「1-6-4-5」のトニックの代理の「6」を「3」に変えたパターン。
1-4 (C-F)
ロックでよく使われる。
- Oasis – Don’t Look Back In Anger (1995): イントロ
- The Jesus And Mary Chain – Just Like Honey (1985): ほぼ全体
1-4-1-5 (C-F-C-G)
1-4-5 (C-F-G)
1-4-5-1 (C-F-G-C)
「トニック – サブドミナント – ドミナント – トニック」のメジャースケールの基本といえるコード進行です。安定感、王道感のあるパターンです。
- Maren Morris – The Bones (2019): コーラス (1/3-4-5-1/6)
- この曲では、分数コードを用いてベースがひとつづつ上がっていく、高揚感あるコード進行になっています。
- The Cranberries – Dreams (1993): ブリッジ以外
1-4-5-4 (C-F-G-F)
基本的なスリーコードの進行。ロックっぽい。
- Jane Birkin et Serge Gainsbourg – Je T’aime,…Moi Non Plus (1969): イントロ、ヴァースの一部
- The Troggs – Wild Thing (1966): ほぼ全体
1-4-6-5 (C-F-Am-G)
- Selena Gomez – Lose You To Love Me (2020): ヴァース
1-5-3-6 (C-G-Em-Am)
トニック系コードが多く、落ち着いた印象の進行。
1-5-4-1 (C-G-F-C)
1-5-6-3 (C-G-Am-Em)
トニック系コードが多く、落ち着いた印象の進行。
1-5-6-3-4-1-4-5 (C-G-Am-Em-F-C-F-G)|カノン進行
カノン進行。もっとも有名なコード進行のひとつ。
- Maroon 5 – Memories (2019): 全体
- Oasis – Don’t Look Back In Anger (1995): コーラス C-G-Am-Em-F-G-C-Am-G
- Benny Blanco, Juice WRLD – Graduation (2019)
- Vampire Weekend – Step (2013)
- Spiritualized – Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space (1997)
- Green Day – Basket Vase (1994)
- Pet Shop Boys – Go West (1993)
- Daryl Hall – Dreamtime (1986)
- Billy Joel – Piano Man (1973)
- あいみょん – マリーゴールド (2018)
- Perfume – 未来のミュージアム (2013)
- Zard – 負けないで (1993)
1-5-6-4 (C-G-Am-F)
もっとも使われているコード進行のひとつ。 安定感があり、クラシカルな印象を与えるコード進行。
- Maroon 5 – Girls Like You ft. Cardi B (2018): 全体
- The Black Eyed Peas – Where Is The Love? (2003): ほぼ全体
- The Beatles – Let It Be (1968): イントロ
1-6-2-5 (C-Am-Dm-G)
いわゆる「イチ・ロク・ニー・ゴー」。循環コードの代表的パターン。 循環コードの基本的なパターン「1-6-4-5」の「4」を代理コードの「2」に置き換えた進行。
- The Pretenders – Don’t Get Me Wrong (1986): ブリッジ以外
- Wham! – Last Christmas (1985): 全体
1-6-3-5 (C-Am-Em-G)
トニック系のコードが3つ続き、ドミナントへ進むパターン。変化の少ない淡々とした進行です。
- The Weeknd – Save Your Tears (2020): プリコーラス以外
1-6-4-1 (C-Am-F-C)
強進行を促すドミナントを含まないため、淡々とした印象の進行です。
1-6-4-5 (C-Am-F-G)
定番の循環コード。
- Daddy Yankee – Dura (2018): 全体
1-6-5 (C-Am-G)
- Khalid – Young Dumb & Broke (2017): 全体
2-3 (Dm-Em)
- Drake – God’s Plan (2018): 全体
- Drake – Hotline Bling (2015): 全体
2-3-6 (Dm-Em-Am)
マイナースケールの定番のコード進行です。レゲエっぽい印象を与える進行で、レゲエ調のポップスでよく使われます。
- J. Balvin, Bad Bunny – Que Pretendes(2019): 全体
- Ariana Grande – Side To Side ft. Nicki Minaj (2016): コーラス
2-3-6-3 (Dm-Em-Am-Em)
「2-3-6」とほぼ同じ雰囲気のコード進行です。こちらもレゲエ風のポップスに合います。
- Swae Lee – Won’t Be Late (2019): 全体
2-3-6-5 (Dm-Em-Am-G)
「2-3-6」系のコード進行です。こちらもレゲエ風のポップスに合います。
- Bad Bunny feat. Drake – Mia (2018): 全体
2-4-6-5 (Dm-F-Am-G)
- Sam Smith – How Do You Sleep? (2019): 全体
2-5-1 (Dm-G-C)
いわゆる「ツー・ファイブ・ワン」の進行。
2-5-1-4 (Dm-G-C-F)
「ツー・ファイブ・ワン」の後に、完全5度下行(完全4度上行)して「4」へ進むパターン。 すべてのコードが、完全5度下行(完全4度上行)の強進行になっている、いわゆる「サイクルオブ5th」の進行でスムーズな流れの進行です。 「Dm7-G7-CM7-FM7」で使われることが多いです。
2-5-1-6 (Dm-G-C-Am)
定番の「1-6-2-5」を「2-5」から始めたパターン。
2-5-3-6 (Dm-G-Em-Am)
日本人が好む「4-5-3-6」の「4」を代理の「2」に変えたパターン。「4-5-3-6」よりもより切ない印象になります。
2-5-6 (Dm-G-Am)
「2-3-6」に似た進行。
- Sting – Englishman In New York (1987): ブリッジ以外
2-6 (Dm-Am)
- The Weeknd – Call Out My Name (2018) : 全体
2-6-1-2 (Dm-Am-C-Dm)
- Major Lazer – Be Together (feat. Wild Belle) (2015): 全体
2-6-1-5 (Dm-Am-C-G)
- Alan Walker – Diamond Heart (feat. Sophia Somajo) (2018): 全体
2-6-5-4 (Dm-Am-G-F)
- Mabel – Mad Love (2019): 全体
3-2-5-1 (Em-Dm-G-C)
トニックの代理の「3」から始まりツーファイブワンへ進む進行です。
3-6-2-5 (Em-Am-Dm-G)
すべてのコードが、完全5度下行(完全4度上行)の強進行になっているパータン。いわゆる「サイクルオブ5th」の進行でスムーズな流れの進行です。
3-6-4-5 (Em-Am-F-G)
循環コードの定番「1-6-4-5」の「1」を代理の「3」に置き換えたパターン。「1-6-4-5」より切ない印象のコード進行です。
4-1-3-6 (F-C-Em-Am)
- Sam Smith – To Die For (2020): コーラス
4-1-5-1 (F-C-G-C)
フワッとしたサブドミナント終始のあとに、しっかりとしたドミナント終始がくるコード進行です。安定感があり荘厳な感じの進行です。
- Selena Gomez – Lose You To Love Me (2019):プリコーラス、コーラス
4-1-5-6 (F-C-G-Am)
「4-1」のサブドミナント終始と「5-1」のドミナント終始の「1」を代理に変えた「5-6」の偽終止を組み合わせたパターン。 「4-1-5-1」と似ています。 サブドミナント始まりですが、浮遊感よりは安定感が強い感じのコード進行。Amで終わる暗い感じのコード進行のため、マイナースケールのメロディーが合う。
- Marshmello & Halsey – Be Kind (2020): コーラス 41565
- Martin Garrix & Dua Lipa – Scared To Be Lonel (2017): コーラス、ドロップ
- Rihanna – Umbrella (2007): コーラス
4-2-6-1 (F-Dm-Am-C)
- Major Lazer – Know No Better (feat. Travis Scott, Camila Cabello & Quavo) (2017): 全体
4-2-6-5 (F-Dm-Am-G)
- Martin Garrix & Troye Sivan – There For You (2017): コーラス
4-3-2 (F-Em-Dm)
ルートが順々に下がっていくパターン。切ない印象の進行です。
4-3-2-1 (F-Em-Dm-C)
ルートが順々に下がっていくパターン。切ない印象の進行です。
4-3-6 (F-Em-Am)
- Calvin Harris – Slide ft. Frank Ocean, Migos (2017): 全体 (FM7-Em7-Am7)
4-3-6-1 (F-Em-Am-C)
「4-5-6-1」に似たコード進行です。少しダークな感じがありつつも高揚感のあるパターンです。
- Halsey – Nightmare (2019): 全体
4-5(F-G)
淡々とゆらゆら浮遊し続けるコード進行です。
- Kim Petras – Broken (2019) : 全体
4-5-1(F-G-C)
サブドミナント始まりのメジャースケールの王道のコード進行です。浮遊感や高揚感のある進行です。EDM系のポップスなどにおすすめです。 「4-5-6-1」の元になる進行ですが、「4-5-1」より「4-5-6-1」のほうがよく使われています。
- Zayn – Pillowtalk (2016): ほぼ全体(4-5-4-5-1)
4-5-1-6 (F-G-C-Am)
定番の循環コード「1-6-4-5」を、サブドミナントの「4」から始めたパターン。「1-6-4-5」より軽く切ない印象の進行です。
- Alan Walker – Sing Me To Sleep (2016): コーラス (Sing me to sleep now…)
4-5-3 (F-G-Em)
「4-5-1」のトニックの「1」を代理の「3」に変えたパターン。
4-5-3-4 (F-G-Em-F)
日本人が非常に好む「4-5-3-6」に似た進行。
- Kavinsky – Nightcall (2011): コーラス
- Cyndi Lauper – Time After Time (1983): イントロ
4-5-3-6 (F-G-Em-Am)|王道進行
いわゆる「王道進行」。日本人が非常に好むコード進行として有名。 軽く爽やか、かつ切ない感じの進行。 似た進行に「4-5-3-4」があります。
- David Guetta – Titanium ft. Sia (2011): コーラス、ドロップ
- Kylie Minogue – I Should Be So Lucky (1987): イントロ、コーラス
- Rick Astley – Never Gonna Give You Up (1987) :イントロ、コーラス
4-5-6 (F-G-Am)
「4-5-1」のトニックの「1」を代理の「6」に変えたパターン。 よく使われている。「4-5-6-1」と合わせて使われることが多い。
- Michael Sembello – Maniac (1983): コーラス
4-5-6-1 (F-G-Am-C)
浮遊感、高揚感がありダンス系のポップスに合う。 近年、非常によく使われている。
- Selena Gomez, Marshmello – Wolves (2017): ドロップ、コーラス
- Major Lazer & DJ Snake – Lean On (feat. MØ) (2015): 全体が4-5-6-1-4-5-6
4-5-6-2 (F-G-Am-Dm)
- Tiësto, Jonas Blue & Rita Ora – Ritual (2019): コーラス
4-5-6-3 (F-G-Am-Em)
「4-5-6-1」「4-5-6」「4-5-6-5」と似ているコード進行。 終わりにマイナーコードが2つ続くため、かなり切ない感じのコード進行。
- Charlie Puth – We Don’t Talk Anymore (feat. Selena Gomez): コーラス
4-5-6-5 (F-G-Am-G)
「4-5-6-1」と似ているが、1へ行って開放しないので、より抑制した感じの進行。 「4-5-6」「4-5-6-1」と組み合わせて使われることも多い。 ダンス系のポップスに合う。
- The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This (2017): 全体
- The Chainsmokers – Closer ft. Halsey (2016): 全体
4-6-1-5 (F-Am-C-G)
- Kygo, Zara Larsson, Tyga – Like It Is (2020): コーラス
- 経過的にGを入れて「4-5-6-1-5」
4-6-2 (F-Am-Dm)
- David Guetta & Sia – Let’s Love (2020): コーラス
4-6-3 (F-Am-Em)
- INNA – Sober (2020): 全体
- FM7-Am7-Em7
- The XX – Intro (2005): 後半
4-6-5 (F-Am-G)
淡々とした浮遊感のあるコード進行。 似た進行に「4-6-5-3」がある。
- Justin Bieber – Sorry (2015): ほぼ全体
4-6-5-2 (F-Am-G-Dm)
- LSD – Audio ft. Sia, Diplo, Labrinth (2018): 全体
4-6-5-3 (F-Am-G-Em)
浮遊感があり暗い進行。 よく使われている。
- Marshmello & Demi Lovato – OK Not To Be OK (2020): 全体
- Khalid – Better (2018): 全体
- Rihanna – Diamonds (2012): 全体
4-6-5-4 (F-Am-G-F)
- Tate McRae x Ali Gatie – Lie To Me (2020): 全体
5-4-1 (G-F-C)
6-1-3-4 (Am-C-Em-F)
- Major Lazer – Cold Water (feat. Justin Bieber & MØ) (2016): 全体
6-1-4 (Am-C-F)
浮遊感があり切ない感じのコード進行です。
- DJ Snake, Lauv – A Different Way (2017): 全体
6-1-5-2 (Am-C-G-Dm)
- Selena Gomez – Feel Me (2020): 全体
6-2-3 (Am-Dm-Em)
6-2-3-6 (Am-Dm-Em-Am)
6-2-4-5 (Am-F-C-Em)
- Ed Sheeran – Shape Of You (2017): 全体
6-2-5-1 (Am-Dm-G-C)
代表的な循環コード「1-6-2-5」を「6」から始めたパターン。すべてのコードが完全5度下行(完全4度上行)するスムーズな進行です。
6-3-2 (Am-Em-Dm)
6-3-4-5 (Am-Em-F-G)
「1-4-5」の「1」を「6-3」で代理したパターン。切ない印象の進行です。
6-4 (Am-F)
淡々とした、ダークな進行。
- Post Malone – rockstar ft. 21 Savage (2017): 全体
6-4-1-3 (Am-F-C-Em)
定番の「6-4-1-5」に似ている進行です。
- Halsey – You should be sad (2020) : 全体
- ZAYN – Dusk Till Dawn ft. Sia (2017): 全体
6-4-1 (Am-F-C)
定番の「6-4-1-5」の5を省略したパターン。
- Selena Gomez – Back To You (2018): 全体
6-4-1-5 (Am-F-C-G)
もっとも使わている進行のひとつ「1-5-6-4」を6から始めた進行。 この「6-4-1-5」も「1-5-6-4」と同様に非常によく使われている。 「1-5-6-4」が明るめの進行であるのに対し、この「6-4-1-5」は暗めの進行。
- Selena Gomez, Rauw Alejandro – Baila Conmigo (2021): 全体
- Alan Walker – Faded (2015): 全体
6-4-2 (Am-F-Dm)
変化の少ない淡々としたマイナー感ある進行。
- Selena Gomez – Dance Again (2020): ほぼ全体
6-4-3 (Am-F-Em)
6-4-5 (Am-F-Em)
ダーク感ある進行。 ダークなダンス系ポップスなどに合います。 似た感じの進行に「6-5-4-5」があります。
- Kool & The Gang – Fresh (1984): ブリッジ以外
- Madonna – Lucky Star (1983): ブリッジ以外
- Shannon – Let The Music Play (1983): イントロ、ヴァース
6-4-5-1 (Am-F-G-C)|小室進行
小室哲哉氏がよく使っていたため、日本では「小室進行」として知られているコード進行。 ダークかつ高揚感がある。 基本的な循環コード「1-6-4-5」を「6」から始めたパターン。マイナースケールに合うマイナー感ある進行ですが、メジャースケールにも使えます。
- Calvin Harris – This Is What You Came For ft. Rihanna (2016): ドラムが入る前の部分
6-4-5-3 (Am-F-G-Em)
- Tones And I – Dance Monkey (2019): 全体
6-4-5-6 (Am-F-G-Am)
- Khalid – OTW ft. 6LACK, Ty Dolla $ign (2018): 全体
6-5-1-4 (Am-G-C-F)
- BLACKPINK – Lovesick Girls (2020): コーラス
6-5-2-3 (Am-G-Dm-Em)
暗い進行。
- G-Eazy & Halsey – Him & I (2017): 全体
- French Montana – Unforgettable ft. Swae Lee (2017) : 全体
- パワーコードが使われています。
6-5-2-4 (Am-G-Dm-F)
- The Weeknd, Kendrick Lamar – Pray For Me (2018) : プレコーラース、コーラス
6-5-3-4 (Am-G-Em-F)
- Selena Gomez – Look At Her Now (2019): 全体(ブリッジ以外)
6-5-4 (Am-G-F)
少しダークな進行。 似た進行に「6-5-4-5」があります。
- Cyndi Lauper – Girls Just Want To Have Fun (1984): コーラス
6-5-4-3 (Am-G-F-Em)
ルートがひとつずつ下がっていくコード進行です。沈んでいくような暗い印象です。
- Halsey – Still Learning (2020): 全体
6-5-4-5 (Am-G-F-G)
定番の「4-5-6-5」を6から始めた進行。「4-5-6-5」よりダークな印象です。 ダークな感じのダンス系ポップスに合います。
- Dua Lipa – New Rules (2017): 全体
- Madonna – Into The Groove (1984): ブリッジ以外
まとめ
最近よく使われているコード進行のパターンを紹介しました。 どのコード進行を使えばよいか分からないという作曲初心者の方は、この記事で挙げた進行を使ってみることをおすすめします。 おしゃれなコード進行の作り方は、こちらで解説しています。
コード理論・進行のおすすめ本
他にも使えるコード進行のパターンはたくさんあります。さらに他のパターンを知りたい方は、下記の本がおすすめです。
決定版 コード進行スタイル・ブック
初心者に最適なコード進行パターン集 基本的な定番のコード進行から複雑なコード進行までを、タイプ別に段階的に解説しています。100以上のコード進行のパターンとその進行が実際に使われている曲を紹介しています。 定番のコード進行のパターンを知りたいという作曲・音楽理論初心者の方に最適です。
かっこいいコード進行108
おしゃれなコード進行のパターン集 Cメジャースケール66種類、Aマイナースケール42種類の計108パターンのコード進行を収録。 基本的なコード進行はマスターした方のステップアップに最適です。
コード理論大全
コード理論のすべてがわかる本 基礎から応用まで、コード理論のすべてを網羅した本。コード進行についてしっかりと学びたい方に最適です。
実践コード・ワーク 完全版 理論編 / 篠田元一
人気のコード理論書が待望の復刊 絶版となっていた人気のコード理論本が2020年に待望の復刊。理論編では、コード理論のすべてを学ぶことができます。
実践コード・ワーク 完全版 アレンジ編 / 篠田元一
人気のコード理論書が待望の復刊 絶版となっていた人気のコード理論本が2020年に待望の復刊。アレンジ編では、コード理論を実際のアレンジの中でどう用いるかについて解説しています。
その他のDTMのおすすめ本については、こちらを参照してください。