この記事では、レコードプレーヤー/ターンテーブルの選び方を解説し、おすすめの機種を紹介します。
レコードプレーヤー/ターンテーブルとは
レコードプレーヤーとは、その名の通りレコードを再生する機械です。
ターンテーブルとは、元々はレコードプレイヤーのレコードを載せて回転する丸い台の部分のことを指していました。
現在では、ターンテーブルとはDJ用のレコードプレイヤーという意味でも使われることが多いですが、リスニング用のレコードプレイヤーもターンテーブルと呼ばれることもあります。
ターンテーブルの選び方
DJ用/リスニング用
ターンテーブル・レコードプレイヤーには、DJ用のもととリスニング用のものとがあります。
DJ用ターンテーブル
DJ用のターンテーブルは、クラブなどでDJが複数の曲をつなげてミックスしたり、スクラッチをしたりDJプレイをするのに使います。
DJ用のターンテーブルの特徴は、回転の立ち上がりの早いダイレクトドライブであることと、スライダー式の回転数・ピッチコントローラーがあることです。
ピッチコントローラーで曲のテンポを変えることで、つなぐ2つの曲のテンポを合わせることができます。
リスニング用ターンテーブル
リスニング用のターンテーブルは、普通に音楽を再生して聴くためのものです。
リスニング用のターンテーブルには、ベルトドライブのものが多いです。
DJ用のターンテーブルをリスニング用に使うことは問題ありませんが、リスニング用のターンテーブルをDJ用として使うと故障の原因となります。
ダイレクトドライブ/ベルトドライブ
ターンテーブルの駆動方式には、ダイレクトドライブ/ベルトドライブの2種類があります。
ダイレクトドライブ
ダイレクトドライブとは、その名の通りターンテーブルのプラッター(レコードを載せる部分)とモーターが直接つながっているタイプの駆動方式のことです。
ダイレクトドライブは、トルク(回転させる力)が強く、再生ボタンを押してから適切な回転速度になるまでの時間が短く、回転もベルトドライブに比べて安定しており、DJ用途に向いたターンテーブルです。
また、シンプルな構造で部品が少ないため、故障しにくく、メンテナンスや部品交換の頻度も少なくなります。
DJ用途のターンテーブルには、ダイレクトドライブのものを選びましょう。
また、ダイレクトドライブ式はリスニング用途にも問題なく使うことができます。
ベルトドライブ
ベルトドライブ式は、プラッター(レコードを載せる部分)とモーターをベルトでつなぐタイプの駆動方式のことです。
モーターの回転をゴム製のベルトを介して、プラッターへと伝えます。
ゴム製のベルトが劣化してくると、回転ムラが生じたり、ベルトが切れてしまったりすることがあります。
ダイレクトドライブ式と比べて、耐久性に劣るため、DJプレイのようなターンテーブルを酷使する用途には向きません。
ベルトドライブ式は、ダイレクトドライブ式と比べて価格が安いため、手軽にレコードを聴きたいという方におすすめの方式です。
トルク数
トルクはターンテーブルの回転する強さを表すもので、回転スピードの立ち上がりの速さに影響します。
トルクが低いと回転の立ち上がりが遅くなり、ミックスやスクラッチがやりづらくなります。
DJ用ターンテーブルの名機 Technics / SL-1200mk2 のトルクは 1.5kg・cm です。
回転数
レコードは一般的に33rpm(1分あたりの回転数)と45rpmのものがあります。
古いレコードにSPレコードというものがあり、SPレコードの回転数は78rpmです。
ターンテーブルは33rpm、45rpmにはすべての機種が対応していますが、78rpmには対応はしていない場合があります。
SPレコードを再生したい場合には、78rpm対応のターンテーブルを選びましょう。
ピッチコントローラー
ピッチコントローラーは、ターンテーブルの回転速度を調整し、曲のテンポとピッチを変更するためのものです。
ピッチコントローラーで曲のテンポを変更することにより、2つの曲のテンポを合わせて、スムーズにミックスすることができます。
ターンテーブルをDJ用途で使うには、ピッチコントローラーがついているものを選ぶ必要があります。
USB出力
ターンテーブルは、機種によってはUSB出力があるものがあります。
USBケーブルでターンテーブルとパソコンを接続することにより、オーディオインタフェイスがなくても、ターンテーブルの音を直接パソコン内のDAWなどに録音することができます。
Bluetooth
Bluetooth対応のターンテーブルであれば、Bluetooth対応のヘッドホンやスピーカーにワイヤレスで音声を送信し再生できます。
フォノイコライザー
フォノイコライザーとは、一般的なターンテーブルのフォノ出力の微弱な信号を大きくするためのものです。
フォノイコライザーが内蔵されているターンテーブルでは、ターンテーブルを直接スピーカーに接続して音声を再生できます。
フォノイコライザーが搭載されていないターンテーブルの場合は、別途フォノイコライザーやミキサーなどで音声を増幅してからスピーカーへ送る必要があります。
内蔵スピーカー
スピーカーが内蔵されているターンテーブルであれば、スピーカーと接続することなく、ターンテーブルのみで音声を再生できます。
おすすめDJ用ターンテーブル
Technics / SL-1200MK7
DJ用ターンテーブルの大定番シリーズ Technics(テクニクス) / SL-1200MK7 は、DJ用ターンテーブルの大定番 Technics / SL-1200シリーズの最新モデルです。
本機SL-1200MK7の特長は、自分の好みにカスタマイズできるのことです。
レコードを手から離す際の操作感であるモーターのトルク、ブレーキスピードの調整を高度なデジタルモーター制御技術で4段階から選択可能です。
自分のベストなスタート/ストップのタイミングも微調整が可能で、プレイスタイルに合わせて細かなカスタマイズができます。
さらに多彩なプレイを可能にする逆回転再生や78回転再生、±16%のピッチ調整にも対応しています。
ボタンやトーンアームのパーツにはブラック色を採用。
マットな質感のブラックボディと合わせて、オールブラックの洗練されたデザインとなっています。
LEDライトは、赤色・青色の2色から切り換え可能です。
電源とPhonoケーブルには着脱式ケーブルを採用しており、メンテナンス性を高め、ブースのレイアウト変更も容易です。
- 駆動方式: ダイレクトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm、(78rpm:切換スイッチで設定)
- トルク: 1.8kg / cm
- ピッチ調整範囲: ±8%, ±16%
- 出力:PHONO (RCA)
- USB: なし
Pioneer DJ / PLX-500
初心者向けDJ用ターンテーブル Pioneer DJ(パイオニア・ディージェー) / PLX-500 は、初心者に最適なコスパのよいDJ用のターンテーブルです。
USB-B端子とパソコンを直接接続し、アナログレコード音源をデジタル化してパソコンに録音することが可能です。
PHONO出力だけでなくLINE出力に対応おり、パワードスピーカーに直接つなぐことができます。
rekordbox dvs (有償) 対応のDJミキサーと組合せることで、Control Vinylを使用しPC/Mac内のデータ音源をDJプレイすることができます。
色はブラックとホワイトに2種類があります。
- 駆動方式: ダイレクトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45、78rpm
- トルク: 1.6kg / cm
- ピッチ調整範囲: ±8%
- 出力:PHONO/LINE (RCA)
- USB: USB B port
Pioneer DJ / PLX-1000
プロ品質のDJ用ターンテーブル Pioneer DJ(パイオニア・ディージェー) / PLX-1000 は、プロフェッショナルユースのDJ用ターンテーブルです。
高トルクモーターによるダイレクトドライブで、安定した回転と素早い立ち上がりを実現しています。
さらにボディからトーンアーム、端子部にいたるまで徹底的にノイズの排除と安定再生を実現する設計を施しクリアな音質を実現しています。
テンポ可変幅は、±8%、±16%、±50%から選択可能でDJプレイの幅が広がります。
「RESET」ボタンを押すだけで瞬時に±0%の定速回転に戻すことができます。
電源ケーブルと音声ケーブル(アース線含む)が着脱可能なので、本機を持ち運ぶ際もケーブルが邪魔にならず、移動時の衝撃や引っかかりによる断線を回避できます。
アナログ本来の音質を忠実に再現するため、リスニング用途としてもオススメのターンテーブルです。
- 駆動方式: ダイレクトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm
- トルク: 4.5kg / cm
- ピッチ調整範囲: ±8%、±16%、±50%
- 出力:PHONO (RCA)
- USB: なし
Reloop / RP-7000 MK2
Reloop(リループ) / RP-7000 MK2 はヨーロッパのクラブなどでトップクラスのシェアを誇るターンテーブルです。
回転の立ち上がりがよく、わずか0.2-0.6秒で最高速度へ到達します。
トルクの強さも調整可能です。
3つのピッチ範囲(±8%、±16%、±50%)と高解像度のデジタルフェーダーで繊細なビートマッチングが可能です。
Quarz Lockで0%に瞬時変更することもできます。
逆回転再生も可能です。
スタート・ストップボタンが左右にあり、 縦置き時に便利です。
PHONO/LINE切替が可能なプリアンプを搭載しており、直接スピーカーと接続できます。
駆動方式: ダイレクトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm、78rpm
- トルク: 2.8 – 4.5kg / cm (調整可能)
- ピッチ調整範囲: ±8%、±16%、±50%
- 出力:PHONO/LINE (RCA)(切替方式)
- USB: なし
Numark / PT01 Scratch
ポータブル・スクラッチ・ターンテーブル Numark(ヌマーク) / PT01 Scratch は、自宅や屋外でも場所を問わす7インチスクラッチ・プレイが可能なポータブルターンテーブルです。
手軽にポータブルスクラッチが可能な、スクラッチ・スライドスイッチ搭載(利き腕やスタイルに合わせて調整可能、ユーザーにて交換可)。
スピーカーを内蔵。
電源は、アダプター/乾電池に対応しています。
持ち運びに便利な保護カバーとハンドル付きです。
- 駆動方式: ベルトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm、78rpm
- ピッチ調整範囲: ±10%
- 出力:PHONO (RCA)、1/4″ヘッドホン端子、1/8″ヘッドホン端子
- USB: あり
おすすめリスニング用ターンテーブル
Audio Technica / AT-LP60X
初心者でも使いやすいフルオートターンテーブル Audio Technica(オーディオ・テクニカ) / AT-LP60X は、スタートボタンを押すだけでレコードの再生・停止を行なう、33/45回転に対応可能なフルオート式のターンテーブルです。
フォノイコライザーを内蔵しており、フォノイコライザーを搭載していないスピーカーにもLINE出力で接続可能です。
色はガンメタリックとレッドの2種類があります。
- 駆動方式: ベルトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm
- 出力:PHONO/LINE(ステレオミニ)
- USB: なし
Audio Technica / AT-LP60XBT
ワイヤレス・ターンテーブル Audio Technica(オーディオ・テクニカ) / AT-LP60XBT は、Audio Technica / AT-LP60XにBluetoothを搭載したモデルです。
Bluetooth対応のスピーカーやヘッドホンにレコードの音をワイヤレス伝送し再生できます。
高音質・低遅延のaptXコーデックに対応しています。
もちろん、ケーブルでの接続も可能です。
- 駆動方式: ベルトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm
- 出力:PHONO/LINE(ステレオミニ)
- USB: なし
Sony / PS-LX310BT
ワイヤレス・ターンテーブル Sony(ソニー) / PS-LX310BT は、Bluetooth対応のワイヤレス・ターンテーブルです。
Buletooth対応のスピーカー、ヘッドホンなどと接続し、ワイヤレスで音楽を楽しめます。
STARTボタンを押すだけで、ペアリング済みの機器と接続し、レコードの再生停止(オートスタート・オートリターン・オートストップ)を自動で行います USB端子を搭載おり、パソコンと接続しレコードの再生音をデジタル録音可能(2ch 44.1kHz、48kHz/16bit)です。
フォノイコライザーを内蔵しており、フォノイコライザーを搭載していないスピーカーにもLINE出力で接続可能です。
- 駆動方式: ベルトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm、78rpm
- 出力:PHONO/LINE (RCA)
- USB: あり
Sony / PS-HX500
ハイレゾ対応ターンテーブル Sony(ソニー) / PS-HX500 は、アナログレコードの音を最大DSD 5.6MHz、リニアPCM 192kHz/24bitなどのハイレゾ・ファイルフォーマットでPCに録音・保存できるターンテーブルです。
録音した音源は、ハイレゾ再生対応のウォークマンなどの他機器で聴くことができます。
Windows OS、Mac OS Xに対応した、新開発の専用アプリ“Hi-Res Audio Recorder”で簡単録音・編集が可能です。
フォノイコライザーを内蔵しており、フォノイコライザーを搭載していないスピーカーにもLINE出力で接続可能です。
- 駆動方式: ベルトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm、78rpm
- 出力:PHONO/LINE (RCA)
- USB: あり
Ion Audio / Air LP
ワイヤレス・ターンテーブル Ion Audio(アイオン・オーディオ) / Air LP は、Bluetooth対応のワイヤレス・ターンテーブルです。
Buletooth対応のスピーカー、ヘッドホンなどと接続し、ワイヤレスで音楽を楽しめます。
USB端子を経由してレコードの音声をデジタルファイルに変換しパソコンに保存できます。
ステレオミニジャック入力端子を装備、カセットデッキなどの外部ソースのデジタル化やワイヤレス送信が可能です。
色は、ピアノブラック仕上げのAir LPと天然木パネルのAir LP WDの2色をラインナップしています。
- 駆動方式: ベルトドライブ
- 回転数: 33 1/3rpm、45rpm、78rpm
- 出力:PHONO(RCA)、ヘッドホン端子(ステレオミニ)
- USB: あり
まとめ
おすすめのターンテーブルを紹介しました。
おすすめのDJミキサーについては、こちらを参照してください。