リミッターとは? 仕組み、使い方を解説

リミッター limiter エフェクター

リミッターとは、音量を一定値以下に制限するためのエフェクターのことです。

この記事では、リミッターの仕組み、使い方について解説します。

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リミッターとは

リミッター limiter

リミッターとは、音量を一定値以下に制限するためのエフェクターのことです。

リミッターは、一般的にマスタートラックのエフェクトチェーンの最終段に置かれ、音量が0dBを超えてクリップが発生するのを防ぐ目的で使われます。また、音圧を上げるためにも用いられます。

リミッターは、ダイナミクス・エフェクトの一種で、基本的な仕組みはコンプレッサーと同じです。コンプレッサーとの違いは、コンプレッサーはレシオとアタックタイムが可変であるのに対して、リミッターはレシオが1:無限大で固定、アタックタイムはゼロで固定であるということです。

リミッターのパラメーター

ableton live limiter リミッター

リミッターのパラメーターには、一般的にスレショルド/インプットゲイン、シーリング、リリース、ルックアヘッドがあります。それに加えてゲインリダクションメーターがあります。

スレショルド / インプットゲイン

リミッターは機種によってスレショルド(Threshold)があるものと、インプットゲイン( Input Gain)があるものとがあります。このふたつは機能的には、ほとんど同じで、どちらも圧縮量を調整するために用います。

スレショルド

スレショルドは、コンプレッサーのスレショルドと同じで、音量がスレショルドを超えると圧縮を開始します。リミッターは、レシオが無限大:1であるため、圧縮された箇所の音量は、スレショルドと同じになります。スレショルドを下げるほど、圧縮量が大きくなり音圧が上がります。

スレショルド以下まで圧縮した後、「シーリング値 – スレショルド値」分、自動でゲインされます。結果として、出力の最大値はシーリング値になります。

インプットゲイン

インプットゲインは、入力された音の音量を増幅します。シーリング値を超えると、圧縮が開始され、圧縮された箇所の音量はシーリング値になります。インプットゲインを上げるほど、圧縮量が大きくなり音圧が上がります。

シーリング

シーリング(Ceiling)は、天井という意味で、出力音量の最大値を設定します。

リミッターはシーリング値を超えないように音量を圧縮します。

シーリングは、一般的に0dBより少し下げて-0.03dBぐらいに設定する場合が多いです。

リリース

リリース(Release)は、圧縮を開放し始めてから、圧縮がなくなるまでの時間を設定します。

リリースタイムが、短い場合は急に圧縮が開放されるため、音に歪みが生じやすいです。特に低域に歪みが発生します。リリースタイムを長くすれば、より自然な圧縮が得られますが、スレショルドを超えていないのに圧縮している時間が長くなるため、音圧を上げるという点では不利になります。

オート

リミッターの機種によっては、オート(Auto)機能がついているものがあります。

オートは、入力されるオーディオ信号を分析し、適切なリリースタイムを自動で設定する機能です。オート機能があればオンにしておけばよいでしょう。

ルックアヘッド

ルックアヘッド(Look Ahead) は、先読みという意味で、トランジェントが圧縮されずにリミッターを通過することがないように、トランジェントが来る前に、前もって圧縮を始めておくための機能です。

ルックアヘッドでは、先読みの時間を設定します。

例えば、ルックアヘッドが3msの場合、スレショルドを超えるトランジェントが来る3ms前から圧縮を開始し、トランジェントが来た時点で、必要な圧縮量になります。

ルックアヘッドは、実際には、先読みでなく出力を遅らせることで機能を実現しているため、レイテンシーが発生します。レイテンシーは、ルックアヘッドの時間と同じになります。

ルックアヘッドタイムが、短い場合は急に圧縮が始まるため、音に歪みが生じやすいです。特に低域に歪みが発生します。ルックアヘッドタイムを長くすれば、より自然な圧縮が得られますが、スレショルドを超えていないのに圧縮している時間が長くなるため、音圧を上げるという点では不利になります。また、レイテンシーも大きくなります。

ゲインリダクション

ゲインリダクション(Gain Reduction)は、圧縮量を表示するメーターです。

ステレオリンク

リミッターの機種によっては、ステレオ・リンク(Stereo Linking)機能が搭載されているものがあります。

ステレオリンクは、左右のチャンネルを別々に圧縮するか、同期して圧縮するかを設定する機能です。

ステレオリンクをオンにしている場合、左右のチャンネルに、同じ圧縮が行われます。ステレオリンクがオフの場合、左右のチャンネルにそれぞれ別のコンプレッサーを挿しているのと同じ状態になります。この場合、左右のチャンネルで圧縮のタイミングや量が異なるため、ステレオ定位に狂いが生じます。

通常、ステレオリンクはオンにしておきます。

リミッターとクリッパーの違い

Limiter Clipper リミッター クリッパー 違い

リミッターとクリッパー(Clipper)は、どちらも音量の大きい部分を抑えることができるという点で似ていますが、その仕組みや効果は全く別のものです。

リミッターは、音の波形を保ったまま振幅を小さくします。一方、クリッパーは振幅が一定値を超える部分をカットします。振幅が一定値を超えない部分には変化がありません。

結果として、リミッターは基本的に音色に変化を与えることなく、音量の大きな部分を抑えることができます。一方、クリッパーはディストーションをかけたような倍音やノイズが発生します。

単に音量の大きな部分を抑えたい場合はリミッターが適しています。クリッパーは歪んだ音が欲しい場合などに適しています。